内容説明
現代に到るまで庶民の懐を支え、命脈を保ち続ける中国質屋業の起源、制度、経営体制、日常業務、需要者層の変遷を探り、中国庶民の生活史の一端を描く。
目次
第1章 中国質屋業の起源と発展
第2章 明清代質屋業の繁栄
第3章 近代質屋業の組織と経営
第4章 民国時代質屋業の変遷と特色
第5章 現代中国の質屋業
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
1
マイナーなテーマの歴史の本が好きです。語られ尽くされて、もう型が出来ているテーマよりも柔軟な歴史像を得られる可能性があるように思うからです。マクロすぎて実感の持てない経済史と違う、自分の生活からも想像可能な経済史という意味で質屋というテーマを選ばれた著者は慧眼だと思います。青木雄二さんが質屋こそが最も健全な庶民金融だと言われていましたが、個人金融といえば即信用貸みたいな日本の現状と合わせて考えると、質屋というものを知ることはムダではないように思います。中国版の前に手頃な日本版があるのが理想なんですけどね。2014/02/07