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内容説明
「南無阿弥陀仏」「誰も救えない者をこそ救う」浄土真宗本願寺十一世・本願寺顕如が戦国の改革者・織田信長との情報力・知力・武力・政治力・経済力の全てを投入した十年をこえる総力戦の果てにみたものとは…。「改革するもの」と「改革されるもの」、「あたらしきもの」と「ふるきもの」、「父」と「子」。それぞれの戦いを壮大なスケールで描いた傑作長編小説。
著者等紹介
鈴木輝一郎[スズキキイチロウ]
1960(昭和35)年岐阜県生まれ。1991年『情断!』でデビュー。1994年「めんどうみてあげるね」(『新宿職安前託老所』所収)で第四十七回日本推理作家協会賞を受賞。日本推理作家協会会員、日本文芸家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おもも
2
大阪本願寺、伊勢長島、加賀一向ネットワーク。朝倉(越前福井石川)比叡山延暦寺(琵琶湖西岸)浅井(北近江)、六角(南近江)。紀州(雜賀)、甲賀△。主な戦場。福島、野田(阪神、環状線)、新福島(東西線)、天王寺、木津川口。2023/09/28
佐藤丈宗
1
かの顕如が主人公というだけでワクワク。真宗門徒の崇敬を一身に集める門跡としての顕如の姿。かたや妻と息子には全く尊敬されていない夫・父親としての顕如の姿。この対比が顕如の人間像に深みを加え、単なる英雄譚、偉人伝ではなし得ない物語を紡いでいる。長編だが読み始めたらあっという間。面白い。はじめて光秀と会ったときのやりとり。やられた。顕如の正信偈に本願寺側はもとより、織田軍も一緒になって和す場面。鳥肌がたった。2017/02/11
Gen Kato
1
歴史小説にして父親小説。息子に反発され、背かれる父親としての顕如。そしておのれを冷ややかな目で見続ける妻… この奥さん「きた」の存在感がすごいです。「人には、自分の親も、子も、選ぶことができない」の一語には深く頷くのみ。遠い戦国時代でも、こんな親子の、夫婦のドラマは変わらずあり続けたのだろうな。「小説」とは「人間」を描くものだということを改めて味あわせてくれた作品でした。2014/03/18
BIN
1
信長を散々悩ませ続けた本願寺顕如の物語。今の平和な世の中じゃ救いを求めることもなく宗教なんて・・・という印象だけど、死と隣り合わせの戦国時代では宗教にすがる民衆の力というのはすさまじいんだなと感じました。忙しいということで、家庭のほうがえらいことに。反面教師にしたい。あと、この小説では信長を軍才がないとか低く見て、足利義昭が威風堂々として格好良かったり、やたらと織田信忠を攻城戦のプロのように扱っている。信忠そんなにすごかったんだなあ。2012/08/06
Aki Oba
0
本願寺vs信長の闘い。顕如vs教如の確執。意外と信長、秀吉を認め冷静に時代を捉えていた顕如。できればこの後の本願寺東西分裂の真相にまで迫って欲しかった。2013/06/20