出版社内容情報
中国大陸という広大な土地と、そこに生きた人々の悠久な歴史の堆積の中で、生み出され育まれて来た思想の人生観・世界観は、西洋のそれと異なった独自な趣を以て、現代の私たちに語りかける。人間は如何に生きるべきか、世界をどのように観じ、どのように解釈するかという問題は、永遠に尽きないテーマである。先行き不透明な時代と言われ、価値観の多様化している現代、東アジアにおける漢字文化圏が今や見直されつつあるとき、中国的人生観・世界観というテーマは、確かに再考に値し、再認識すべきものを多く内包していると思われる。(「前言」より)
目次
孔子の人生観と世界観について
孔子の人間観
『論語』憶解
儒家的死生観
「兵は詭道」をめぐって
孟子と老子―大国・小国の論をめぐって
『尹文子』の形名思想
太陽と王権―太陽神話を中心として
史記貨殖管蠡
壁中古文小考
桓寛『塩鉄論』と『論語』―前漢における『論語』活用の一斑
王充の「発慣著書」説
『老子河上公注』の身体観
自得の思想
陶淵明の「飲酒 其五」について
「設論」ジャンルの展開と衰退―漢代から東晋までの人生観管見
道教的身体論における尸虫と魂魄
玄宗皇帝と国際性
白居易「紀年」詩考
杜佑の三教観について
唐代小説の人相観
朱熹理気論の再検討
朱子学と現代社会
『道蔵闕経目録』管見
元明清医家の元気論
告子について
戴震の考拠の立場
特別寄稿 宣長学の形成と中国思想