内容説明
秦の始皇帝から後漢の献帝まで四五〇年近く続いた統一が瓦解し、曹魏、孫呉、蜀漢に分裂した三国時代と、これに続く両晋・南北朝時代は中国史上でも有数の分裂時代であった。実質的には三〇〇年近くに及んだ政治的な分裂は、中国世界の内部だけではなく、外部すなわち周縁に位置していた諸種族や諸国家に対してもさまざまな影響を与えることになった。ある勢力はこのような状況を利用して中国王朝との関係を強化し、また中国王朝の側でも周縁の勢力との関係強化につとめる動きが活発化していった。倭王卑弥呼による曹魏への遣使や、倭の五王による南朝への遣使もこの時代のことである。しかし周縁にあった全ての勢力がこの分裂の時代をしたたかに生き抜いたわけではない。本書は、三国時代の非漢族のうち、烏桓、山越、鮮卑、高句麗、〓、西南夷、クシャン朝、そして倭を取り上げ、それぞれにとっての三国時代について、『三国志』に代表される史書を読み込みながら考えてみたものである。
目次
序章 「東アジア世界」と三国時代
第1章 三国鼎立と非漢族
第2章 鮮卑と高句麗
第3章 諸葛亮の「隆中対」
第4章 クシャン朝と倭
終章 非漢族にとっての三国時代
著者等紹介
関尾史郎[セキオシロウ]
1950年神奈川県横須賀市生まれ、1974年上智大学文学部史学科卒業、1980年上智大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得退学。魏晋南北朝時代を中心とした中国古代史、中国古代史科学が専門。東京大学事務補佐員、新潟大学人文学部教授などを経て、東洋文庫研究員・新潟大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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