内容説明
現代中国・台湾の映画・教科書・翻訳作品など、日本情報を伝達する種々のメディアに映し出される日本・日本人像を明らかにする。“反日”“親日”にとどまらない複雑な対日イメージが生み出される背景を探ると、内政問題や日中関係の軋轢、人々の価値観の変化が見えてくる。日本という“合わせ鏡”に映し出された現代中国・台湾の実情にも光を当てる。
目次
第1章 鏡合わせの中国人と日本人―中国映画に投影される日中両国(見えざるものから顕在化するものへ―戦前戦後の中国映画に描かれた“日本・日本人”;改革開放と共に―高倉健・張芸謀・残留孤児 ほか)
第2章 愛憎を繋ぐ虹の架け橋―台湾映像作品にみる日本と台湾人(台湾映像作品中の“善良な日本人”;日台の希望を繋ぐ虹の橋―『海角七号』 ほか)
第3章 「大虐殺」という“記憶の証明”―歴史教科書における南京事件(教科書(1986)における南京事件―「血なまぐさい大虐殺」の再現
教科書(1995)と南京事件―多様な“罪業”の中に埋没する事件 ほか)
第4章 新たな日本像への胎動―日本語教科書における日本(日本語学科の学生に芽生えた新しい“日本人イメージ”;中国における日本語ブームと日本語学習の動機 ほか)
第5章 中国における「村上熱」―ブームの背景と林少華の翻訳について(中国における「村上熱」―日本文学最大のブーム;「村上熱」の原因―中国人にとっての魅力 ほか)
著者等紹介
弓削俊洋[ユゲトシヒロ]
1953年生まれ。立命館大学大学院文学研究科修士課程修了。愛媛大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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