出版社内容情報
日本の古典劇である能の中には中国題材の曲が少なからずあり、能楽論の中にも中国題材の能についての論述が散在している。本書は、能における中国文化の受容について総合的に研究した論文集である。
目次
第1章 中国題材の能と能楽論
第2章 能「呂后」と『前漢書平話』
第3章 慶長九年豊国社臨時祭の新作能「孫思〓(ばく)」の出典
第4章 能「楊貴妃」の典拠―『長恨歌』『長恨歌序』『長恨歌伝』の伝本をめぐって
第5章 中国の怪異譚を原点とする近世の謡曲について―「鸚鵡鳥」「根元鶉」「螺女」の出典考証を中心に
第6章 猩々イメージの変遷―中国の怪獣から日本の霊獣へ
第7章 能における元曲影響説―その経緯と背景
著者等紹介
王冬蘭[オウトウラン]
1951年中国ハルピン市に生まれる。1983年黒竜江省芸術学校(演劇専攻)卒業、黒竜江省文化芸術幹部学校芸能史教員に就任。1985年来日。1995年大阪大学文学研究科芸術学専攻博士課程を修了。帝塚山大学経済学部(語学)助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。