出版社内容情報
今の時代はまさに経済、地政学、社会、文化そして人の価値観までもが、大きくかつ連続的に変化する「激変の社会」である。明治~大正期の日本も、現代と同じような「激変の社会」の渦中にあった。まだ女性経営者がめずらしかったその時代を生き抜いた実業家、広岡浅子にスポットをあてる。広岡浅子は、豪商「京都出水の三井家」に生まれる。1867年大坂の豪商「加島屋」に嫁ぎ、明治維新後の経営を立て直す。1884年炭鉱経営に乗り出し、1888年に加島銀行を設立、1902年には大同生命の創業に参加する等、商才を発揮した。1901年には日本で最初の日本女子大学校(後の日本女子大学)の創立に携わった。実業界から引退後は社会活動を行った。
内容説明
「九度転んでも十度起き上がれば、前の九度の転倒は消滅して、最後の勝利を得ることができる」。「九転十起」を座右の銘に、激動の幕末・明治・大正期を生きた女性実業家、広岡浅子。経営危機に瀕した豪商・加島屋を救い、炭鉱経営や大同生命の創業を手掛け、日本初の女子大学(日本女子大学)設立に尽力した。浅子の生涯から、激変する時代に対応する経営を学ぶ。
目次
プロローグ 広岡浅子の「生き方理念」とサステナビリティ
1 広岡浅子の生い立ちと世界観(広岡浅子の生い立ちと九転十起;経営者広岡浅子の思想と世界観)
2 広岡浅子の女性活躍社会構築への情熱(広岡浅子の「女性の社会的地位の向上」の願いと現在―ジェンダー平等の視点から;広岡浅子に学ぶ女性リーダーシップとダイバーシティ・マネジメント;性差によらない適材適所の人材活用)
3 広岡浅子にみる激変社会を生き抜く経営(起業家としての広岡浅子―エフェクチュエーションの経営実践;広岡浅子とステークホルダー・エンゲージメント;広岡浅子から学ぶ人的資本経営のあり方;SDGs視点で見る、関係者連携と変革の起こし方―広岡浅子に学ぶ)
4 広岡浅子と加島屋の足跡をたどる(激動を越えて続く金融ビジネス―米相場、大名貸と加島屋;加島屋・加島銀行のコーポレートガバナンス―浅子と恵三の経営の光と影から継承された経営基盤と理念)
著者等紹介
平野琢[ヒラノタク]
九州大学経済学研究院産業マネジメント専攻准教授。東京工業大学イノベーションマネジメント研究科博士課程後期修了。博士(工学)。東京交通短期大学専任講師を経て、2018年より九州大学経済学研究に奉職、2023年より現職。一般社団法人経営倫理実践研究センターフェローを兼務。日本経営倫理学会理事。CSR、コンプライアンス、リスクマネジメントに関する講演多数。FM福岡「モーニングビジネススクール」に講師として出演
林順一[ハヤシジュンイチ]
青山学院大学特別研究員。慶應義塾大学卒業、マンチェスター大学経営大学院修了、筑波大学大学院修士課程修了後、青山学院大学博士課程修了。MBA、修士(法学)、博士(経営管理)。(株)第一勧業銀行(現・(株)みずほ銀行)、(株)みずほフィナンシャルグループ、(株)みずほ証券、資産運用会社などを経て、現在、青山学院大学大学院非常勤講師、法政大学大学院兼任講師、光産業創成大学院大学客員教授
古谷由紀子[フルヤユキコ]
サステナビリティ消費者会議代表、(一財)CSOネットワーク代表理事。中央大学大学院総合政策研究科博士課程終了。博士(総合政策)。消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク(SSRC)共同代表幹事、企業の品質やデジタル等の諮問委員会等の社外委員のほか、消費者庁の消費者志向経営優良事例表彰選考委員、経産省等のデータやAIに関する委員も務める
荻野博司[オギノヒロシ]
多摩大学経営情報学部客員教授、NPO法人日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク顧問、(株)メディヴァアドバイザー。1975年一橋大学法学部卒業。朝日新聞社にて経済部員、ニューヨーク駐在、論説副主幹を歴任。東洋学園大学グローバルコミュニケーション学部教授、苫小牧埠頭(株)社外監査役を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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