内容説明
西欧社会における「水の表象」と「清激のイメージ」の変遷をたどる。
目次
第1部 祝祭の水から不穏な水へ
第2部 下着が身体を洗う
第3部 身体に滲みこむ水から強化する水へ
第4部 水が身体を守る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Wisteria
9
主に中世ヨーロッパの衛生観念の変遷について。ペストが蔓延る中入浴が危険なものと見なされる。もう読んでるだけで体が痒くなって来た。なんて不潔なんだ。その後、白い下着が体を清潔にするとされる時代が来る。そんな訳ない。現代人からすると奇妙で有り得ない話ばかりなんだけど、それは当時は命に関わる問題で、生きると言う事への執念が感じられた。2016/06/10
印度 洋一郎
2
入浴を中心に、フランス人の清潔感の変遷を解く興味深い本。16~18世紀のフランス人は全く風呂に入らなかった。当時は水につかると病に犯されるという考えが医学(!)にあったからだという。だから、当時の人間にとって清潔になるとは下着を変えることと香水をつけることだった。随分汚いようにも思うが、そもそも清潔が衛生ではなく、礼儀作法の分野の話だったから、特に問題視されなかったのだ。そんなフランス人が毎日風呂に入って、清潔を気にするようになるのは、19世紀も末の話らしい。何だか昔のフランスのイメージが一変してしまう。2010/09/08
Akihiro Nishio
1
素晴らしい本だった。しっかりとしたデーターに依拠して論を進めており、筆者の語る清潔の観念の揺れ動きも、なるほどそうだったんだろうなと思える。しかも、内容もありきたりではなく発見に満ちている。2011/12/03
ひよこ
1
授業発表のために読むことになりましたが、とても興味深かった。レポートのために読み返し中ですが、発表のときは逃してた部分をたくさん発見した!2回目は後ろから読んだら面白いと思う。2011/06/30