出版社内容情報
「おつかいにいってきます」お地蔵さまにそういって、せんきちは町へ出かけました。せんきちは毎日、お地蔵さまにごあいさつをする子です。おつかいを終えての帰り道、きゅうに雪が降り出して、風も強くなり、大吹雪になりました。前が見えません。それでもせんきちはがんばって前に進もうとしますが、迷ってしまいます。せんきちがこまっていると、吹雪の中にぼんやりと黒い人影が浮かび上がりました。「おーい、待ってくれ」せんきちはけんめいに後をついていきました。追いついたと思ってもすぐに離れてしまいます。転んでは起き上がり、いったいどれだけ歩いたことでしょう。急に吹雪が晴れて、目の前に木が見えたとき、「せんきちー!」「かあさん、ただいま」おかあさんと家族が心配して迎えにきてくれたのです。(さっきまで前を歩いていた人はいったいどこにいったんだろう)と、せんきちは思いました。家への帰り道、お地蔵さまのほこらの前を通りかかると、「見て!」せんきちがほこらに続く足跡を見つけます。扉を開けてみると……いつもの場所に、白い雪をかぶったお地蔵さまが立っていたのです。「ああ、ありがとうございます。町へおつかいにいくと言って出かけたから……それをお地蔵さんは聞いてくださって、心配してくださったんだ」せんきちは、涙を流して御礼を言いました。せんきちが、吹雪の中で見た黒い影のことを話すと「ふしぎなこともあるもんだ」「お地蔵さまのおかげだね」と家族みんなで感謝しました、それからこのお地蔵さまを「ゆきじぞう」と呼ぶようになりました。
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ヒラP@ehon.gohon
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