出版社内容情報
若い世代に伝えたい万葉秀歌を女流作家の第一人者がやさしく解説。ちひろが古代抒情の世界を描く。 SLA選定
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
55
“東の野に炎(かぎろい)の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ” 柿本人麿が美しい朝の光景を詠んだ歌が載っていて嬉しい。以前、奈良のローカルニュースで、「かぎろひを観る会」というイベントを見て、わくわくしたことを思い出した。いわさきちひろにより、薄墨色でどこか儚げながらも、かつてこれらの歌とともに生きたであろう人々や草木、自然が生き生きと写しとられている。人はかなしいと言っては泣き、嬉しさは全身で表し、恋しい気持ちは隠しきれない。感情の一つ一つを技巧に走り過ぎず、真っ直ぐに歌いあげたものがとても好きだ。2020/08/14
双海(ふたみ)
15
いわさきちひろさんの素敵な絵と共に万葉の歌人たちの跡をたどる本。万葉人のおおらかさ、好きです。2014/08/24
風里
9
いわさきちひろさんの絵が万葉の歌としっくり合う。 ひとつひとつ書写しながら、韻を踏み、思いを馳せる。 万葉人のおおらかさをゆっくりかみしめるように読みたい。2019/07/17
ちょっちょ
4
誕生日の朝、何を読もうかと迷い手に取ったのは高校1年生の時に購入したこの本。万葉歌に添えられたいわさきちひろの画の墨の濃淡が、歌をより身近なものにしてくれる。木原敏江のマンガで出会った『恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言つくしてよ長くと思はば』が昔も今も一番好きだなぁと思った。2013/07/06
ホレイシア
3
当時は違和感なかったが、今になると万葉集にいわさきちひろの絵ってどうなんだろう。