出版社内容情報
ペイオフは銀行の破綻処理の一手法だが、各国の手法は千差万別である。世界の預金保険制度と銀行破綻処理方法の動向、その中の先進的な設計思想などついて詳述。
内容説明
「預金保険」は、銀行が破綻したときに預金を保護し、これを通じて金融システムの安定を図る制度である。この制度は19世紀前半に米国で生まれ同国で独特の発展をしてきたものであるが、最近20年間、金融の自由化・グローバル化の進展と金融危機の多発にともなって創設が相次ぎ、現在では世界の約80カ国で導入されるに至っている。これと並行して、預金保険制度とこれを活用した銀行破綻処理という2つの分野においてさまざまな新機軸が開発・導入され、これが世界の金融システムの安定性に大きな影響を与えるようになってきている。本書は、急速な展開をみせる預金保険と銀行破綻処理の実態と国際動向を概観するとともに、そのなかの先進的な設計思想と技術について詳述する。
目次
第1章 預金保険と破綻処理の基礎
第2章 米国の預金保険の歴史と現状
第3章 米国の破綻処理制度
第4章 欧州の預金保護と破綻処理
第5章 カナダの預金保険制度
第6章 アジアの預金保険と破綻処理
第7章 可変保険料制度をめぐる動き
著者等紹介
本間勝[ホンママサル]
1953年秋田県生まれ。1976年京都大学経済学部卒業後、大蔵省入省。銀行局・大臣官房・理財局等を経て、1990年ハンガリー日本大使館一等書記官、1993年ポーランド共和国大蔵大臣顧問、1995年OECD課長、1999年金融監督庁検査総括課長、2000年預金保険機構総務部長などを歴任。現在、欧州復興開発銀行(EBRD)中央アジア局長
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