内容説明
続発する企業不祥事・相次ぐ法律の改正・容赦ないグローバル化の進展のなかで、コーポレート・ガバナンスと従業員をめぐる関係にも変化が生じている。本書は、株主重視と従業員重視を両立させる新たなガバナンス・モデルの構築という共通の問題意識のもと、研究者、弁護士、ジャーナリスト、労働組合リーダーといった多岐にわたる分野の専門家が集まり、コーポレート・ガバナンスに関する国際的な理論潮流、従業員の企業に対する貢献、近年のコーポレート・ガバナンス改革が従業員・労働組合・労働法制などに与える影響、従業員利益と株主利益を両立させるコンプライアンス体制の展開など、従業員とコーポレート・ガバナンスをめぐる理論的・実践的諸問題を多面的に分析している。
目次
第1章 株主重視と従業員重視―その両立可能性:国際動向と経営イデオロギー
第2章 企業統治と労働者の技能
第3章 経営危機における労働組合の機能
第4章 リストラのもとで揺らぐ企業社会と労働組合の課題
第5章 コーポレート・ガバナンス改革と労働法
第6章 内部統制システムの構築とホットライン
第7章 従業員持株制度とコーポレート・ガバナンス
第8章 企業理論と従業員活用型コーポレート・ガバナンス
著者等紹介
稲上毅[イナガミタケシ]
1944年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。社会学博士
森淳二朗[モリジュンジロウ]
1944年生まれ。京都大学法学部卒業。京都大学大学院法学研究科博士課程中退。現在、福岡大学法科大学院教授
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