欧州解体―ドイツ一極支配の恐怖

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  • サイズ B6判/ページ数 385,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492444177
  • NDC分類 333.7
  • Cコード C3033

出版社内容情報

英国、ギリシャ離脱でEU崩壊、ドイツ覇権の行方は?デフレ社会の到来をいち早く予言した英国No.1エコノミストによる新たな警告

英国、ギリシャの離脱でEUは崩壊の道へ進むのか。
ドイツが覇権を握るのか。
デフレ社会の到来をいち早く予言した英国No.1エコノミストによる新たな警告。

現在のEUは、政治的・経済・外交的にどう間違っているのか、
EUに内在する矛盾と機能不全を分析し、EUの失敗を論じる。
イデオロギーではなく、合理的な経済分析から説き起こしていく、タイムリーでバランスの取れた一冊。

「EUは本来、誤った決断をするようにできているのだ。ユーロのつまずきがEUの解体を招く
なら、私たちはそれを、EUの内的矛盾の結果として起こった必然的なできごとと見なすべ
きだろう。カール・マルクスならそう言ったはずだ。」(本文より)

●ギリシャのユーロ離脱にイタリアも追随、一気にユーロ圏は解体へ
●統一通貨ユーロはユーロ圏全体をゲルマン的にした
●国民投票でEU離脱後の英国は成功する
●フランスは中核国から周縁国へ
●ベルリン、ミュンヘン、パリ、マドリッド、ローマ、ミラノ、ベネチアなど、都市国家が欧州に再び出現
●今後のEUが手本とすべきはNAFTAとASEAN

プロローグ ヨーロッパの混迷

第1部 EUの起源と現在の目的
 
 1章 EUはいかにして、またなぜ創設されたのか
 
 2章 政治制度としてのEUが抱える問題点

第2部 EUの経済学
 
 3章 EUは経済的に成功したのか?
 
 4章 単一通貨ユーロが抱えるトラブル

 5章 経済的惨事を避けるための政策

 6章 欧州経済に未来はあるのか
 
第3部 改革か、解体か、はたまた離脱か

 7章 EUは進んで改革に取り組むことができるのか?

 8章 大胆な改革を強いるものは何か?

 9章 EU離脱のコストと利益

 10章 EUの代わりとなりうる協定

エピローグ 贈り物をせがむギリシャにご用心

【著者紹介】
ロジャー・ブートル
エコノミスト
英国シティのNo.1エコノミストのひとり。1999年にロンドンに設立された欧州最大の経済調査会社「キャピタル・エコノミクス」創業者兼経営者。ベストセラーになった『デフレの恐怖』(邦訳、東洋経済新報社)でデフレ時代の到来をいち早く予測した。ブラウン政権では、独立経済アドバイザーとなる。下院財務委員会の顧問も務め、保守党政権が選出した「ワイズ・メン」のひとりでもある。テレビやラジオに頻繁に出演するほか、デイリー・テレグラフ紙に定期的にコラムを執筆。「コメント・アワード2012」では経済分野の年間最優秀コメンテーターに選ばれた。2012年7月、キャピタル・エコノミクスのチームと共に栄えある「ウォルフソン経済学賞」を受賞。オックスフォード大学出身。

内容説明

デフレ社会の到来をいち早く予言した英国No.1エコノミストによる“新たな警告”。

目次

第1部 EUの起源と現在の目的(EUはいかにして、またなぜ創設されたのか;政治制度としてのEUが抱える問題点)
第2部 EUの経済学(EUは経済的に成功したのか?;単一通貨ユーロが抱えるトラブル;経済的惨事を避けるための政策;欧州経済に未来はあるのか)
第3部 改革か、解体か、はたまた離脱か(EUは進んで改革に取り組むことができるのか?;大胆な改革を強いるものは何か?;EU離脱のコストと利益;EUの代わりとなりうる協定;贈り物をせがむギリシャにご用心)

著者等紹介

ブートル,ロジャー[ブートル,ロジャー] [Bootle,Roger]
英国シティのNo.1エコノミストのひとり。1999年にロンドンに設立された欧州最大の経済調査会社「キャピタル・エコノミクス」創業者兼経営者。ブラウン政権では、独立経済アドバイザーとなる。下院財務委員会の顧問も務め、保守党政権が選出した「ワイズ・メン」のひとりでもある。「コメント・アワード2012」では経済分野の年間最優秀コメンテーターに選ばれた。2012年7月、キャピタル・エコノミクスのチームと共に栄えある「ウォルフソン経済学賞」を受賞。オックスフォード大学出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

93
EUやユーロについての問題点をズバリ指摘。著者は欧州最大の経済調査会社、イギリスのキャピタル・エコノミクスの創業者。◆ギリシャのEU離脱があったころに書かれた本で、そもそもが欧州統一なんていのうは子供じみた夢と一刀両断。まあ、ここに書かれたこともさることながら、現状のEUを見れば、解法は別として答えは合っているんだろうな。2019/10/29

Miyoshi Hirotaka

34
欧州が他の地域に比べて強く、繁栄していたのは、小さな国同士で激しく競い合っていた時代だ。二度の世界大戦の惨禍を経た後は、同じことを繰り返してはならないと心に誓った。戦争に対する嫌悪感から競い合う国民国家に戻ることに強い感情的反感を示す人々もいる一方で、戦争以外で対抗心を維持することは可能だと主張する人もいる。特に、移動の自由、つまり、移民問題はこの枠組みで理解すべき。福祉制度にただ乗りされたり、加盟国間で割り勘勝ちをされたりすると各国の有権者のいらだちの種になり、欧州市民というコンセンサスが形成されない。2016/11/14

Willie the Wildcat

33
EU設立理念の変遷。冷戦時の第三極を目指すも、加盟国の格差と、アイデンティティの喪失・模索の苦悩。融和vs.分断、自由vs.規制。財政同盟と政治同盟の欠落は、確かに痛い。一方、監督の甘さ、加盟基準の甘さ、そして経済圏故の甘さ・・・。IT化とグローバル化の影響以前の問題も顕著。興味深いのが英国。NAFTAに英連邦!?確かに英国が手持ちカードが豊富。独自性の齎す強みと解釈。2016/05/23

koji

12
なぜアジアには「EU」ができないのかと考えていた時がありました。それほどEUは眩しい成功例でした。しかし本書では「それは幻想」とバサっと切り捨てます。著者のEUの制度上の問題点を纏めてみると、主に①アイデンティーの危機、②欠陥だらけの政治構造、③民主主義の欠如、④経済不振に分かれます。そのうえで、EU解体、その後継統治形態としてのEFTA型を推奨します。また丁度EU離脱の可否の渦中にある英国には、離脱をすすめ「規制緩和、競争力強化、人の移動制限」による新嘉坡型をすすめます。EUの論点整理には有益な1冊です2016/03/02

KF

9
経済問題についての関心も理解も弱く、読むのには苦労した。完読しましたけどね。と言っても読んでいる途中で「あれ、今どんな事を論じているのかな?」とポカーンとしてしまう感覚まであった。 英国人の筆者によるEUを論じる一冊。副題には「ドイツ」の文字も。必ずしもドイツはこの書の主題ではない。この書の時点ではまだ英国もEUの一員だった。 こうしてみると社会の推移の速さ、ダイナミックな感じを痛感。EU以前のECの時期にEFTAって組織があったの覚えていますか?まだあるのですね。COMECONは91年に解散ですが。2023/03/05

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