欧州リスク―日本化・円化・日銀化

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欧州リスク―日本化・円化・日銀化

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784492444078
  • NDC分類 332.3
  • Cコード C3033

出版社内容情報

「日本化」する欧州経済・財政、「円化」するユーロ……日本No.1の「ECBウォッチャー」が読み解く、欧州経済の動向と行方。

債務危機の次に来る問題とは何か?
日本化する経済、円化するユーロ、日銀化するECB……、
欧州は今後、デフレ、大停滞に陥る可能性がある。
わが国屈指のECBウォッチャーで、欧州の金融政策、マネー動向を知る著者による欧州経済・金融の展望書。

不況下にもかかわらず進む通貨高、伸びない貸出、盛り上がらない国内の消費・投資、積み上がる経常黒字、為替相場に振り回される金融政策、そして上がらない物価等、客観的に見ても、2013年以降のユーロ圏はかつての日本と重複する経験が多い。なお、金融危機や債務危機の影響とは別次元の問題として人口減少という共通点もある。ユーロ圏の日本化シナリオはまだ世の中でコンセンサスが得られているものではない。(中略)しかし、どちらに振れるか分からない過渡期だからこそ、丁寧に日本との共通点を整理し、今後の考察に活かす姿勢が重要なのではないかと思う。ひとたびデフレに転落すれば、その粘着性は強く、再浮上が難しいというのが日本の教訓である。(「はじめに」より抜粋)

第1章 日本化する欧州、円化するユーロ
      ~7つの共有体験で振り返る日本化への道
     ?@不況下の通貨高
     ?A貸出鈍化
     ?B民間部門の貯蓄過剰
     ?C経常黒字蓄積
     ?D金融政策の通貨政策化
     ?E人口減少
     ?F上がらない物価

第2章 通貨ユーロが下がらなかった理由
      ~共通通貨圏に備わる防波堤

第3章 これからのユーロ圏が辿る道
      ~4つの教訓

補 論 ドル/円相場の見通し

【著者紹介】
唐鎌 大輔(カラカマ ダイスケ)
みずほ銀行国際為替部チーフマーケット・エコノミスト
2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、日本貿易振興機構(JETRO)入構、貿易投資白書の執筆などを務める。日本経済研究センターへ出向し、日本経済の短期予測なども担当。その後は欧州委員会経済金融総局(ベルギー)に出向し、年2 回公表されるEU 経済見通しの作成やユーロ導入10周年記念論文の執筆などにも携わった。2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)国際為替部で為替市場を中心とする経済・金融分析を担当。金融専門誌J-MONEY(旧EUROMONEY)誌が行った2012年第22回東京外国為替市場調査のファンダメンタルズ分析部門ではランキング1位。2013年同調査では2位。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

内容説明

債務危機の次に迫りくる大問題とは!?日本化する経済、円化するユーロ、日銀化するECB…わが国屈指のECBウォッチャーが読み解く欧州の現状と未来。

目次

第1章 日本化する欧州、円化するユーロ―七つの共有体験で振り返る日本化への道(不況下の通貨高;貸出鈍化;民間部門の貯蓄過剰;経常黒字蓄積;金融政策の通貨政策化;人口減少;上がらない物価(1~6の結果として))
第2章 通貨ユーロが下がらなかった理由―共通通貨圏に備わる防波堤(「資本流出への防波堤」;外貨準備通貨としてのユーロ;物価(購買力平価)の観点)
第3章 これからのユーロ圏が辿る道―四つの教訓(金融システム健全化を焦らないこと;財政再建を焦らないこと;金融引き締めを焦らないこと;欧州銀行同盟の進展)
補論 ドル/円相場の見通し

著者等紹介

唐鎌大輔[カラカマダイスケ]
みずほ銀行国際為替部チーフマーケット・エコノミスト。2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、日本貿易振興機構(JETRO)入構、貿易投資白書の執筆などを務める。日本経済研究センターへ出向し、日本経済の短期予測なども担当。その後は欧州委員会経済金融総局(ベルギー)に出向し、年2回公表されるEU経済見通しの作成やユーロ導入10周年記念論文の執筆などにも携わった。2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)国際為替部で為替市場を中心とする経済・金融分析を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

29
欧州リスクとは、過去にわが国が経験した経済危機がも欧州で再現されていることをいう。例えば、日経平均最高値からの株価の下落、拓銀・山一破綻からの銀行貸出の鈍化、不況下の通貨高などである。これらをまとめて、欧州の「日本化リスク」と表現している。今後、日本化の圧力の主役となるのは、EU域内、特にドイツの人口減少。これにより、内需が縮小し、外需依存となり、通貨安や経常黒字を指向する体質が強められ、慢性的な金融緩和へと向かう。これに歯止めをかけるには、加盟国を増やすか、移民を増やすしかないが、簡単な問題ではない。2016/02/28

nkmr48

3
個人的に今年一の良書。「通貨高デフレ不況」→日本化するEUを「七つの共有体験」から切出しデータに基づき検証。欧州銀行同盟についても①単一銀行監督制度(施行済)、②単一破綻処理制度(中身弱いが2016/1より施行予定)、③単一預金保険制度(永久棚上)の3つの観点から平易に解説。また本論ではないが、ドル円相場を3つの為替変動要因…①短期:金利差、②中期(2y):需給、③長期:物価…から分析し長期円安傾向である旨指摘、これも非常に分易い。ドイツのプレッシャーを躱すドラギの狡猾とドイツの我慢が試される。★★★★★2014/11/20

Norihumi Yahata

2
データを見ると確かに日本化している。意外とドイツは脱退しない方が経済的にいいことも理解できた。2014/11/06

カキモトのおでん

1
好きなロイターのコラムニストの初著作。経済学を踏まえつつ、実務の感覚も重視している模様。テーマである「ユーロの日本化」については結果待ちとして、日本の不況のメカニズムがわかりやすくまとまっているとこがいい。根拠を示し、予想される反論に答えようとしており丁寧。コラムよりはるかに読みやすい文章。経済規模に対する金融セクターの大きさには驚いた。2014/10/07

在我壷中

1
私には衰退する米国へ『欧州リスク』を日本化する経済「日本化」「円化」「日銀化」へ惹かれ『これは誰の危機か、未来は誰のものか』(スーザン・ジョージ著)と併読するのです。スーザン・ジョージにはグロ-バル化する世界へ共通する問題を提起するのです。1%に満たない富が何故世界を支配するのか!と『世界銀行は地球を救えるのか』とも著すのです。現状我が国は経済を社会を『グロ-バル化』を謳う。『維新』はもとより敗戦後は【近代化】を欧米化と。果たして!結果の格差社会、犯罪率増加、社会の荒廃へと。私には失われた『和心』を問う2014/09/25

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