出版社内容情報
1997年以降の構造改革は韓国の金融部門・企業部門にどんな影響を与えたのか? 2008年以降、第二の通貨危機は起こるのか?財閥は生き残るのか?――韓国経済を徹底的に検証する。
内容説明
現在の世界金融危機の暴風雨の中で、韓国でも2008年10月以降株価が下落し、ウォンレートが暴落していった。今、韓国では、1997年末の事態が再来し、「第2の通貨危機」に陥るのではないかという危機感が高まっている。本書は1997年末に韓国が深刻な通貨危機に陥ってから10年という歳月の間に、いかなる「構造改革」が進められたのか、中でもIMFの指導を受けながら最初の5年間に実行された改革はどんなものであり、その後の韓国経済にどんな影響を与えたのかについて、特に企業部門と金融部門の改革に焦点を当てながら分析するものである。そしてその結果として、韓国は第2の通貨危機を食い止めることができる経済構造を持ちうるにいたったのか、また、食い止めるためにはこれからどんな政策が必要とされるのかについても、さらなる分析を加えていく。
目次
第1章 金大中政権による企業・金融改革
第2章 通貨危機以降の銀行改革
第3章 韓国における金融システム改革と資本市場
第4章 通貨危機後の財閥の淘汰と生き残り戦略
第5章 LGグループ―持株会社によるグループ再編
第6章 SKグループ―敵対的買収の危機と持株会社化
第7章 現代グループの構造改革―継承の失敗と分裂
第8章 三星グループの発展過程と経営者、ガバナンス機構
第9章 三星グループの所有構造とファミリービジネスのコスト
第10章 韓国の財閥は生き残れるか?
第11章 世界金融危機と韓国
著者等紹介
高龍秀[コヨンス]
1960年大阪市に生まれる。1984年大阪府立大学経済学部卒業。1991年大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得。1991年甲南大学経済学部専任講師。ハワイ大学客員研究員。現在、甲南大学経済学部教授。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。