日本式モノづくりの敗戦―なぜ米中企業に勝てなくなったのか

電子版価格
¥1,584
  • 電子版あり

日本式モノづくりの敗戦―なぜ米中企業に勝てなくなったのか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 342p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492395820
  • NDC分類 509.21
  • Cコード C3033

内容説明

相手はサムスンでなくアップル・EMS連合軍だった。シャープ、パナソニック大赤字の原因はここにある。モノマネや低賃金だけが中国の武器ではなくなりつつある。人材開国こそ日本活性化への道。

目次

第1部 新しい潮流(アップルは製造業のビジネスモデルを変えた―スマイルカーブとファブレス企業;日の丸エレクトロニクス敗退の原因―円高でなく垂直統合が問題;巨大EMSというバケモノ―重要なのは低賃金でなく、社会の生産体制;若い企業と新世代が中国を変える―質の高い企業と人材が中国に誕生)
第2部 旧体制の強固な岩盤(垂直統合・系列・蛸壷社会―縦割り蛸壷が並存する日本社会;系列解体後に中小・零細企業はどうなる?―グローバル水平分業の一員となれるか;旧体制が支配する中国の金融―権力と既得権益の巣;金持ちなのに弱い日本の金融力―直接金融と投資銀行業務での日米格差)
第3部 未来への戦略(新興国とどう向きあうか―価格競争は間違い。ブランドを使え;改革の推進主体は、政府でなく経営者―市場が改革方向を示す;人材開国で日本を活性化―高度専門人材を受け入れよう)

著者等紹介

野口悠紀雄[ノグチユキオ]
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主要著書『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経・経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『土地の経済学』(日本経済新聞社、1989年、東京海上各務財団優秀図書賞、日本不動産学会賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

33
わが国は業界や系列、顧客囲い込みが好きで、参入障壁の撤去は嫌い。実は、これは、1940年頃からで、戦争遂行よりも高度経済成長の実現に機能し、石油ショックを克服し、Japan as No.1を実現した。しかし、バブル以降は制度疲労し、中国、米国の後塵を拝するようになった。戦前のわが国は専門人材の流動性が高い起業社会で、米国の産業構造に似ていた。わが国の技術力は高く、資金も潤沢、問題は、肥大した垂直統合体制にある。我々の未来は、米国を盲目的に真似たり、中国詣でをしたりすることにはなく、我々自身の歴史にある。2015/06/05

James Hayashi

21
2012年著。アメリカ、中国、日本のモノづくりを比べ、いかに日本の製造業に未来がないか感じた。ただネガティヴに語るだけでなく、今後の対応如何で敗者にはならないと説く。ただ主要産業である製造業に期待はできない。貿易立国としてモノづくりにこだわりを持つ日本だが、脱工業化に成功した米国の様に新興ビジネスの勃興を促さなければならないだろう。また今ある企業に必要なのはプロの経営者と経営権のセット。外国企業の買収も歓迎すべき。グーグルやアマゾン、金融機関など新興企業に期待をかけるしかない。2017/02/13

壱萬参仟縁

15
がんばろう、ではなく、考え直そう日本、との発想は重要に思える(ⅴ頁)。昨年の日本IT企業が軒並み大赤字というとき、38頁の利益率の棒グラフは、垂直統合が大赤字なのに、水平分業が黒字になっているということが意味深い。人的資本面(科学・教育)でも、中国は既に日本を凌駕したという(99頁)。スタンフォードへの留学も、中韓は増えているが日本は減っている(103頁)。内籠りでは展望はないことの証。ただ、中国は大卒だらけ。日本は院卒だらけ。ひとづくりは会社づくり、社会づくり、くにづくりの基本であるが、心もとない。2013/04/01

手押し戦車

11
建設業も元請が一式に請負い下請けに仕事を回す構造が有る。ITにもゼネコンが存在する。系列の組織は自由度が無く株を間接保有され縛られるが水平型は都度、仕事に合わせ入替えが効くが効率や単価に技術の革新で入れ替えられる。元請けが技術を開発し下請けが製造する構造は世界的に変わらないが今後成長する新興国で市場が拡大する事と高収益を上げれるとは別問題と考え研究開発とブランド戦略に力を入れる。既に他の先進国や新興国の企業がいて高品質よりも低価格競争を利用し製造業の常識を工場が有るから持たざる経営へ変え販売力を上げて行く2014/10/29

ふぇるけん

10
製造業のあり方が、系列を中心とした垂直統合モデルから、EMSなどを活用した水平分業モデルに急速にシフトしており、日本の製造業が衰退しているのは、まさにこのパラダイムシフトに乗り遅れたためだ。40万人という規模の中国の工場は桁違いのスケールであり、どんなに改善を繰り返しても勝ち目がないことは明らかである。読んでいると日本の将来が不安になるが、小規模でも伸びている会社はあるので、そういった機運が高まっていくことを期待したい。2013/05/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5822512
  • ご注意事項

最近チェックした商品