内容説明
幼くして渡航、後に海外の財界人たちと厚い友情を築き上げた「日本のケインズ」の開かれた思想の形成に迫る。
目次
比類なき始まり―一八五四~六七(嘉永七~慶応三)年
サンフランシスコでの高橋―一八六七~六八(慶応三~明治元)年
先輩は多いが、先生は不在 政府や民間の職を転々とする―一八六九~八一(明治二~一四)年
日本初の商標特許法令―一八八一~八九(明治一四~二二)年
前田正名と産業政策論争―一八八二~八五(明治一五~一八)年
ペルーでの銀山経営―一八八九~九〇(明治二二~二三)年
高橋、日本銀行に入行する―一八九二~一九〇四(明治二五~三七)年
日露戦争の戦費調達(一)―一九〇四(明治三七)年
日露戦争の戦費調達(二)―一九〇五(明治三八)年
戦争の教訓―一九〇六~一九一八(明治三九~大正七)〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
38
大失敗をしても、信念を持った前向きな姿勢で成功する。非業の最期が、日本転落のきっかけ。大河ドラマ向けではないか?2018/01/03
夢仙人
3
流石に外国人の書いた伝記は素晴らしい。詳細な調査をベースとし、特に同時代の日本経済史としても読めることからお薦めの本である。2011/06/09
むとうさん
3
アメリカの日本経済史研究家が高橋是清の生涯と思想をまとめた本。高橋是清の生涯というと中公文庫の「高橋是清自伝」があり、実際前半は政治史とからませながらこの本を振り返るのが基本。後半は「自伝」には載っていない、政治家(主に大蔵大臣)としての是清について。経済論争もさることながら、政治的対立(VS軍部含む)についての説明が詳しく、大正末期~昭和初期の政治史としても読める。ただし、「日本のケインズ」とする評価は確かに通説だが、政策内容はともかくケインズの思考自体が本当に是清と同じであったのかという疑問は残る。2011/02/20
えだげ
1
表紙の写真が良い。本の中の写真は疲れているのか、別人に見えた。2018/09/12
とうくぼやかや
1
伝記というか、研究書なので、素人さんにはかなり硬かったけど、読みにくいわけでもないのだ。是清という人の特殊性と彼が置かれた時代の流れというものの偶然性に驚くばかり。役人としてやっていく分には融通利いたのに、大臣になると政党政治のしがらみで動けなくなってる印象。もっとも、高齢で、本人でさえ何度も辞意を伝えているのに辞めることもできなかった。困難な状況にあっても、結果かれの経済思想を貫き通せたと思うし、それを色々な資料が示している。一つの実践例として、彼の施策は評価されうるものということなのでしょう。2013/06/30