出版社内容情報
経済学・経営学で注目を集める新しいコンセプトをやさしく解説。自動車、半導体など実際の産業への応用例も豊富で、今後の経済・経営を考える際の標準になる本。
目次
第1部 モジュール化とは何か(産業アーキテクチャのモジュール化―理論的イントロダクション;モジュール化時代の経営;モジュール化のコストと価値 ほか)
第2部 モジュール化の実際―各産業におけるインパクト(ゲーム産業はいかにして成功したか―アーキテクチャ競争の役割;日本型サプライヤー・システムとモジュール化―自動車産業を事例として;自動車生産でのモジュール化の実際 ほか)
第3部 パネルディスカッション(実践から学ぶモジュール化の意義と可能性)
著者等紹介
青木昌彦[アオキマサヒコ]
経済産業研究所所長、スタンフォード大学経済学部教授。1962年東京大学経済学部卒業。ミネソタ大学Ph.D.。ハーバード大学助教授、京都大学教授等を経て現職
安藤晴彦[アンドウハルヒコ]
経済産業研究所フェロー、内閣府企画官(経済財政―運営総括)。1985年東京大学法学部卒業。同年通商産業省入省。「中小企業融合化法」「中小企業経営革新支援法」など中小・ベンチャー企業のイノベーション支援政策を企画立案。半導体、情報家電などの国際競争力、モジュール化、ベンチャー、異業種交流について研究中。2001年7月から現職
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飯田健雄
6
2002年刊行、しかし、この本は、いまだ亡霊のように、我々に憑きまとっている。このモジュール化こそ、日本のエレクトロニクス産業を大破させた生産方式であった。モジュール化の波はさらに精緻に高度化していく。このモジュール化に対抗するにはどうするのか。アップルもモジュール生産、サムソンもモジュール生産、しかし、そこにゆっくりと差が生まれつつある。それは何か?暗黙知、譲渡できない情報、そこらへんに、モジュール生産に対抗できるイノベーションがあるかもしれない。情報を「隠す」、どのような情報を、どのように「隠すのか」2015/05/10
Iron Patriot
4
かなり抽象的な内容と感じてしまったのは、自分の知識不足によるものだろうか。 設計のモジュール化について勉強するには、別の本を参照したほうが良い。2017/10/16
Kentaro
2
おおよそ20年前にこういったモジュール化の概念が自動車産業に普及し始め、その先を行くのが米国のIT産業だったのが、今の米国市場のソフトウェア関連サービスの優勢に繋がっているように感じました。 この時は、まだiモードがモジュール化の先進事例だったことが喧伝されていますが、この流れがオープンでグローバルに活用されていたらと残念に思いますが、スマートフォンを予見していたのに固執した感も否めないのが残念でした。しかしこういった本がもっと分かりやすく書かれていればもっと早く広まるんだろうなと感じた一冊でした。2017/07/30
takao
1
ふむ2025/01/09
Yohei
1
★★★☆☆スピード化が求められる現代では、これまでの日本企業のようにシステム調整に時間のかかる垂直統合で作るのではなく、インターフェースを標準化・最小限にしたモジュールで構成する戦略が有効と説く。モジュール化の要諦はカプセル化で部分だけの競争でなく、情報を隠すことであるとの指摘は慧眼。2013/04/19