出版社内容情報
120周年記念出版「大震災に学ぶ社会科学」第5弾。震災後の自治体の取り組み、原発事故が自治体にもたらした問題を論じる。
本巻は3部で構成する。
第1部の本章に続く章では、震災後、自治体が具体的にどのような取り組みをしたか、原発事故が自治体にいかなる問題をもたらしたか、さらにアンケート調査結果をもとに、復興にあたる現場の職員が日々の仕事から何を感じていたかを論じる。本巻全体の導入部分にあたる内容である。
第2部は復興を担う組織と人に着目する。その際、国―自治体の関係、自治体―自治体の関係つまり政府間関係と、自治体―住民、自治体―ボランティアの関係を考察の基本枠組みとし、その枠組みのなかで震災後に組織と人がどう動いたか、関係性に変化が見られたかを検討する。最初の2つの章が主に国レベルの行財政対応に視点を置くのに対して、あとの3つの章は主に自治体レベルの行財政対応に力点を置いて考察を進める。 第3部は自治体の復興計画と復興事業に注目する。復興事業のなかでも、特に重点的に取り上げるのは被災住民に対する住宅供給・再建事業である。復興計画の策定や復興事業そのものの進捗状況はどうであったか、復興事業を進めるにあたってどのように政策選択や政策展開がなされたか、そこに自治体間で違いが見られたとしたらその要因は何であったかが検討される。ここでも重要な視点となるのは、国―自治体、自治体―自治体の政府間関係の枠組みから何がいえるかである。
序章 東日本大震災と自治体
第1部 震災と自治体
第1章
内容説明
震災と自治体!そのとき被災地の市町村、県はどう動いたか。国や他の自治体、市民の対応は。
目次
第1部 震災と自治体(自治体行政の「非常時」と「平時」;全町避難・全村避難と地方自治;自治体の震災対応と職員意識)
第2部 復興を担う組織と人(復興推進体制の設計と展開;被災自治体に対する政府の財政措置;災害ボランタリー活動の実際;広域災害時における遠隔自治体からの人的支援;県外避難者受入自治体の対応)
第3部 自治体の復興事業(復興計画の設計と運用;津波被災地における高台移転;仮設住宅と災害公営住宅;震災復興における被災者住宅再建支援制度の展開;瓦礫処理をめぐる自治体の行動選択)
著者等紹介
小原隆治[コハラタカハル]
早稲田大学政治経済学術院教授。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。成蹊大学法学部教授を経て、2010年より現職
稲継裕昭[イナツグヒロアキ]
早稲田大学政治経済学術院教授。京都大学法学部卒業。京都大学博士(法学)。大阪市職員、姫路獨協大学助教授、大阪市立大学教授、同法学部長などを経て、2007年より現職
村松岐夫[ムラマツミチオ]
学術システム研究センター相談役、日本学士院会員、京都大学名誉教授
恒川惠市[ツネカワケイイチ]
政策研究大学院大学特別教授、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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