中流社会を捨てた国―格差先進国イギリスの教訓

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492222997
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C3033

出版社内容情報

サッチャー改革以降、拡大する一方の格差、貧困の問題をルポ。平等と訣別し、セーフティネットを放棄した社会の先には何が待っているのか――格差先進国イギリスからの警告の書。

内容説明

「機会の平等」をどう実現し、「富の再配分」をどう進めるべきか構造改革の「負の遺産」からの脱却をはかるイギリスの挑戦。平等社会を取りもどす戦いが始まった。

目次

裕福な親の子は、やはり裕福になる
第1部 先頭を走る人々―富裕層の実態(高額所得者の自己認識;法外な役員報酬のからくり;古き良き中流階級のため息)
第2部 最後尾を行く人々―貧困層の実態(あるシングル・マザーの日常;相続されていく貧困;高等教育への遠い道程)
第3部 ここに税金を使いたい(「シュア・スタート」―未就学児の子育てを支援する;ニューアル・グリーン小学校―教育困難校を立て直す;どこまでも面倒見ます―イギリス版ハローワークの実験;「明日の人材」―就職支援の新しい試み)
第4部 税こそ、この国のかたち(慈善事業の限界―気まぐれな善意は役に立たない;税からの遁走―租税回避を許すな;今、おこなうべきこと―一八の提言)

著者等紹介

トインビー,ポリー[トインビー,ポリー][Toynbee,Polly]
『ガーディアン』紙の政治・社会担当コメンテイター。ラジオ・テレビなどにも多数出演。かつてBBC放送で社会問題担当部門部長、『インディペンデント』紙や『オブザーバー』紙のコラムニストなどを務める。英国プレス賞、年間優秀コラムニスト賞などを受賞

ウォーカー,デイヴィッド[ウォーカー,デイヴィッド][Walker,David]
『ガーディアン』がパブリック・セクターの管理職を対象に発行する月刊誌『Public』を編集し、『インディペンデント』紙の主任論説委員も務めた。現在はイギリス経済社会学術評議会のメンバーであり、英国最大の社会調査期間、ナショナル・センター・フォー・ソーシャル・リサーチのディレクター

青島淑子[アオシマヨシコ]
1986年京都大学文学部卒業。高校教諭、『ニューズウィーク日本版』編集協力等を経て、翻訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ごへいもち

12
「ハードワーク」の著者。これも面白かった。巨額の報酬を得ている企業役員の報酬上昇率が30~40%とか、イギリスの子供の20%が貧困層とか、イギリスの11歳の子供の10%が読み書きができないとか にわかには信じがたい気がするほど。やはり北欧型の高福祉・高負担のほうが幸せになれそう。イギリスもEUというお友達がいてよかったのでは?2011/05/15

サンノート

5
これは衝撃的な内容。あるイングランドの有名なロッカーが、うちの国には階級があってそれは他の国には理解しにくいだろうと言っていた。彼は労働者階級の生まれだった。日本も格差社会なんて言われているが、アメリカはさらに輪をかけた格差社会で、TPPによってアメリカ型の格差社会が日本にも押し寄せるのではないか、とも言われるなか、「格差」を考える上で非常に考えさせられる一冊でした。2014/11/05

kumonosuke

1
イギリスの実際を知り愕然とした。シティの企業TOPの給料は馬鹿高い。富の再分配が必要なのではないか。富の源泉が必ずしもその人の能力・努力の繁栄ではない点も問題だと思う。平等なチャンスは絶対に必要だと思う。2013/10/11

シュラフ

1
英国の格差社会の状況が書いてあり、日本の格差社会の問題を考える一助になる。 親の収入をみれば子どもの歩む人生がほぼ正確に予測できる。もちろん生まれ持った能力の問題もあるが、人生のチャンスにどれだけ恵まれるかはその子が育った家庭の裕福度に大きく影響される。 サルの実験では、もともと高い地位にいたサルが新しいグループで低い地位に落ちると序列が低下したサルは健康を害する。貶めれたものはサルであれ人間であれ健康を害する。重要なのは相対的な地位であって、絶対的な生活水準ではない。2012/04/15

Porlock Gardens

1
邦題だと全然中身が反映されていない。Unjust Rewards:Ending the Greed that is Bankrupting Britainの原題のほうが断然しっくりくる。不正給付には厳しいくせに税逃れには甘い世の中、とか、慈善事業の限界とか、高額所得者の実態とか、うなずかされることが多かった。出版後数年経つが、残念ながら提案・期待されているようなことは実現されず、相変わらず拝金主義がはびこっている。それにしても同じ会社で賃金格差1148倍って、人間の価値がそれだけ違うとでもいうのだろうか。2012/12/02

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