出版社内容情報
「人治」「独裁国家」というこれまでの中国観は現状を捉えているか。市場経済の発展を的中させた著者が、今度は法治国家へと突き進む中国の姿を大胆に予測する。
内容説明
本書は1、2部はともに実証研究を中心にしている。とくに地方の現場の実態調査を基本に、中国の変わりゆく姿を明らかにした。そこから出てきた本書の仮説は、異説・中国論である。中国は体制イノベーションの過程にある。ただ、ロシアはショック療法で一気に移行したが、中国は「実験区」アプローチによる漸進主義である。中国は西側諸国の進んだ制度を導入するに当たり、まず「実験区」をつくり、そこで新しい制度を導入実験し、問題点を摘出、手直し、成功を見極めた上で、全国に普及させる。四つの「経済特区」はその典型である。政治改革についても、同じ手法で、西側の民主主義制度へのキャッチアップを図っている。本書は末端の現場調査でそれを明らかにした。
目次
第1部 経済体制改革(中国は“民営化先進国”;国有資産売却益で社会保障を整備;国有企業を呑みこむ私営企業 ほか)
第2部 政治体制改革(中国は世界一小さな政府か;公務員制度の導入;東北部の政治体制改革 ほか)
第3部 続・中国社会の変容(中国社会のいま―中国紀行)
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- 和書
- 兼好法師家集 岩波文庫