出版社内容情報
子どもの「問う力」を育て、コミュニケーション力を上げる40のアクティビティを紹介!
〈本書の概要〉
生成AIの登場に伴い、問いに対する答えを素早く、そして大量に確保する術が一般に流通するようになりました。それは同時に「問いの質」によって得られる情報に格差が生まれる可能性をはらんでいる、ということです。いかに答えを獲得するテクノロジーが発達しようとも、問いを生み出す力がなければ無用の長物です。問いがなければ、答えは生まれないのです。では、この問いを生み出す力は、どうすれば育つのでしょうか。そもそも私たちは、子どもの「問う力」にこれまで意識を向けてきたのでしょうか。
本書では、子どもが問いを使いこなすための「質問力」を向上させる40のアクティビティと環境構成を紹介します。
〈本書からわかること〉
◆なぜ「質問力」なのか
コミュニケーションの基本は、対象(相手)に対して、興味・関心をもち、対象のことを理解しようと問いかけることです。では、やみくもに対話をし、質問をし合えばコミュニケーションが深まるかというとそうはありません。そこで著者は、
・お互いにどんな考えや思いをもっているのか(立場)
・今、やりとりがどのように進んでいるのか(展開)
・この対話のゴールは何か(目的)
この3つを瞬時に判断し、質問を駆使することで、深いコミュニケーションを築くことができると考えました。その上で本書では、問う力(質問力)の定義をコミュニケーションの場(目的×立場×展開)に応じて3種の質問を駆使しながら、コミュニケーションにおける目的を達成していく力とし、コミュニケーションを深める「質問力」の向上を提案しています。
◆授業でよくあるこんな「悩み」も解決
・それぞれの意見発表に終始し、拡散するばかりで収束しない全体交流
・何を話し合ってよいかわからぬまま、沈黙が続くペア対話、グループ交流
・教材に対して「問い」をもつ足がかりをもてない子ども
授業における交流の場面などで、こんな子どもの姿が見られませんか?
質問力を向上させることで、子どもの「問う力」が高まり、コミュニケーションが深まると、授業での話し合いの質も変化してきます。
〈こんな先生におすすめ〉
・学級の子どものコミュニケーションに課題を感じている先生
・子どもの話し合いの質を高めたいと考えている先生
・ちょっとした時間で子どもの対話力を高めたい先生
内容説明
なんで?どうして?それってつまり…子どもの「問う力」を問う前に「問い」を使いこなす力=質問力を育てよう!コミュニケーションがグッと深まる環境構成とアクティビティ。
目次
第1章 理論編 なぜ「質問力」が必要なのか―問う力を問う前に(今こそ求められる「問う力」;「問う」指導の現状;「よい質問」とは?問いを分類しよう!;「問う力」は「ほったらかし」ではのびない?)
第2章 解説編 「問う力」を育む指導について(「質問力」を育成するカリキュラムの全体像;学年別「質問力」育成カリキュラム;「質問力」を高める環境構成;「質問力」を支える戦略的判断)
第3章 実践編 アクティビティと環境構成(問うことに慣れるための質問力指導アイデア;問いを広げるための質問力指導アイデア;問いを深めるための質問力指導アイデア;問う力を鍛える実践アイデア;問う力を日常的に育てる環境構成)
著者等紹介
友永達也[トモナガタツヤ]
神戸大学附属小学校・教諭。専門科目は国語科・特に話すこと・聞くことの指導に関心があり、現在、学習者が問う力を高めるカリキュラムの開発や、メタ認知に基づく判断を活かしたコミュニケーション教育、小学生を対象とした聞き書きプロジェクト等に取り組んでいる。また、国語科を中心として、問題解決的な単元デザインやそれを支えるノート指導にも日々取り組む。全国大学国語教育学会、日本国語教育学会、日本教育方法学会、国語教育実践理論研究会(KZR)に所属するとともに、尼崎市の国語科授業サークルのアドバイザーを務めるなど複数の国語科研究会の運営にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。