出版社内容情報
問いによって子ども自ら学びをリフレクションし、読みを深める、これからの国語科授業
■本書の概要
リフレクション型国語科授業が提案するのは、教師の「教え方」ではなく、子どもの「学び方」である。「問い」をつくり、「問い」を読み合い、「問い」を評価する営みをくり返すなかで、子ども自身が「何をどう学ぶか」を選択・決定し、本質的な「読み」の力を獲得していく。「子ども主語」の学びを実現するための教師の役割など、今、求められる国語科授業の有り様を提案する。
■本書からわかること
<リフレクション型国語科授業の学びのサイクル>
子どもが主体的に学びに向き合うとき、その原動力となるのは「問い」です。教師から与えられる「めあて」や「学習課題」ではなく、教材に向き合ったときに、子どもの中から生まれる素朴な思い「知りたい」「不思議だ」「わからない」を問いとして共有・整理し、学習集団で「問い」の質を吟味・決定し、問いを読み合い、再度自らの読みを振り返ってまた新たな問いや気付きへとつなぐという学習のサイクルを基本としています。
<「問い」で読み合う子どもと、伴走者としての教師の立ち位置>
これまでの国語科授業では、教師の教材研究にもとづく一定の解釈に落とし込むべく、教師の論理で授業を組み立てる姿が少なからずありました。リフレクション型国語科授業では、あくまで子どもが主体です。自らの問いにそって、自律的に交流し、読みを深めます。ただしその営みは「異なる読みに出会い、議論し、どこまで作品性に迫れるか」という読みの活動の本質から外れるものであってはいけません。そこに「教師の出」が求められます。「その問いはここで問うべきか」など、子どもの言葉の学びのあり様を見極める協働的学習者としての教師の視点をもつことが必要です。「委ねる」と「任せる」は違います。教師がどこで「出て」、どこで「委ねる」のか。教師の立ち位置を具体の授業で示します。
■こんな先生におすすめ
・国語の授業づくりを楽しめていない先生
・もっと楽しい国語授業をしたい先生
・国語で何を学ぶのか実感をもって授業をしたい先生
・主体的に学ぶ子どもを育てたい先生
内容説明
「子ども主語」の学びを実現するこれからの国語授業。学びをメタ化し、駆動する「問い日記」。子どもの可能性と限界性を見極める協働的学習者としての教師の視点。学びの複線化が生まれる学習形態と学習環境のデザイン。
目次
第1章 リフレクション型国語科授業とは―「問い」をつくり、「問い」で読み合い、「問い」を評価する(リフレクション型国語科授業の学びのサイクル;子どもが「問いをつくる」「問いを決定する」―問いの協働生成の意味;子どもが「問い」を評価する―「問い日記」に見る子どもの変化;子どもが学習をまとめる―テーマ作文の比較と総括;リフレクション型国語科授業のススメ)
第2章 「子どもの論理」でつくるこれからの国語科授業(「子どもの論理」とリフレクション―学びを主体化するリフレクション;新たな国語科授業の枠組み―言語生活者としての「学び方」を学ぶ)
第3章 リフレクション型国語科授業の実際(「白いぼうし」(教科書全社・4年)
「世界でいちばんやかましい音」(学校図書・4年)(東京書籍・5年))
著者等紹介
白坂洋一[シラサカヨウイチ]
筑波大学附属小学校国語科教諭。1977年鹿児島県生まれ。鹿児島県公立小学校教諭を経て、筑波大学附属小学校国語科教諭。全国国語授業研究会副会長。「子どもの論理」で創る国語授業研究会会長。教育出版教科書編集委員
香月正登[カツキマサト]
梅光学院大学教授。1967(昭和42)年福岡県生まれ。山口大学大学院修士課程修了。山口県公立小学校教諭を経て、現職。全国大学国語教育学会員、日本国語教育学会員、中国・国語教育探究の会代表を務める。国語科実践学の構築を目指し、精力的に現場での授業を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。