内容説明
埋経は妙法蓮華経などの経典を書写し、これを土中に埋納するまでの一連の行為で成り立つ経供養で、十一世紀後半から十二世紀後半にかけて盛行した。著者は、史料を『経塚遺文』などに集成、埋経の遺物と遺跡を中心に『経塚の諸相とその展開』などをまとめ、埋経の概念の体系化してきたが、記述の論拠となる遺物や遺跡には根本史料を偶然の発見にたよるという限界もあり、文献史料との接点に一つの問題を残してきた。本書はこれを補うものである。
目次
第1 金泥経を使った埋経
第2 瓦経を使った埋経
第3 如法経を使った埋経
第4 平安時代の埋経のその後
第5 発見された埋経の史料