出版社内容情報
もし、食卓に「コオロギバーガー」や「ミールワームパスタ」が並ぶ日が来たら……
きっと驚くでしょう。でも、未来の食卓には、そんな光景が当たり前になるかもしれません。
私は長年、栄養士として「食と栄養の本質」を探り続けてきました。食べるという行為は、空腹を満たすだけでなく、身体を育て、心をつなぎ、文化を受け継ぐ営みです。だからこそ、限られた資源の中で、どのように“食”を支えていくのか――その問いが、私を“昆虫”という小さな食材へと導きました。
災害支援の現場では、たんぱく質やビタミンの不足、食事の偏りが深刻な課題でした。東日本大震災を機に、私は「栄養危機をどう乗り越えるか」という問いに真正面から向き合い、現在は東大阪大学短期大学部で研究と教育を続けています。
2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)は、昆虫を“未来のたんぱく源”として位置づけました。昆虫は小さくても栄養価が高く、環境負荷が低く、持続可能な食を支える大きな可能性を秘めています。
私が提唱する「昆救食(こんきゅうしょく)」とは、“昆虫で人を救い、地球を救う食”という意味を込めた言葉です。
本書では、昆虫食の栄養的な価値、食育としての意義、そして持続可能な未来への挑戦を、できるだけわかりやすく紹介しました。この小さな命の恵みが、あなたの食卓や考え方に、少しでも新しい発見をもたらすことを願っています。 ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? (本書「はじめに」より)
【目次】
口絵
第1章 栄養――食べることをもう一度考える
食事と栄養/栄養
第2章 病気・災害
食事と健康の関係/災害と栄養不良/世界の非常食と栄養補助/
災害時の「栄養ブースター」としての昆虫食
第3章 多様性と人との関わり
昆虫とは何か/昆虫の主要な特徴/起源と系統――六本脚の仲間たち/
形態と機能の要点/昆虫食(Entomophagy)/薬用昆虫――伝統と再評価
第4章 日本の昆虫食文化と地域性
日本の食用昆虫の歴史/日本の食用昆虫/都道府県別の昆虫食
第5章 世界の食用昆虫の歴史
世界各国の食用昆虫(アジア諸国の食用昆虫/中近東の食用昆虫/
オセアニアの食用昆虫/アフリカの食用昆虫/中南米の食用昆虫/
ヨーロッパの食用昆虫/北米の食用昆虫)
第6章 食用昆虫の危険性
昆虫を食べるときの基本的な注意点/アレルギーに関する注意/
病原体・寄生虫による健康被害/消化器・栄養面でのリスク/
有毒・毒性物質を持つ昆虫/二次的な毒性リスク/食べるべきでない昆虫
第7章 昆虫の栄養価
昆虫は〝栄養の宝庫″か?/昆虫のたんぱく質――量・質・文化/
昆虫たんぱく質のアミノ酸組成/脂質――エネルギーと生命を支える栄養素/
炭水化物――糖質と食物繊維/ビタミン/ミネラルーーカルシウムや鉄の豊富な供給源/
エネルギー量――肉に匹敵する「高密度食材」/プリン体と健康への配慮/
昆虫の味と香り――感覚と記憶/昆虫の食品機能性――三次機能に注目/
昆虫の糞にも健康効果が?/昆虫とSDGs――食の未来を支える新たな視点/
昆虫たんぱく質と地球にやさしい食生活/昆救食が人類・地球を救う
第8章 食用昆虫の有用性
地球と人をつなぐ新たな食資源/栄養・健康・安全の視点から/
社会・文化・経済が育む昆虫食/未来を育む昆虫食
第9章 食用昆虫の養殖(水野 壮)
食用昆虫業界の現場と展望/食用昆虫種の養殖/有望な家畜昆虫種とその条件/
昆虫養殖業の注意点と持続可能性
第10章 食用昆虫の法律と規則
日本における昆虫食の法制度
第11章 昆虫食の未来――地球とともに生きる食のかたち
人口増加とたんぱく質危機/日本における資源保護の取り組み/世界における保全の潮流
第12章 食用昆虫の調理方法
第13章 昆虫食レシピ――未来の食卓へ
シェフガ描く未来の味覚―白石健一の昆虫料理
白石シェフ考案の昆虫食メニュー
1. コオロギのコンソメ、キノコとコオロギのラヴィオリ
2.色々な昆虫のタブレ ~スパイスの香り~
3. タガメのアイスクリームとリンゴのキャラメリゼ コオロギのチュイル
4. タガメのグラニテとレモンのコンフィチュール
家庭で楽しむ! かんたん昆虫クッキング<



