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「無限と連続」の数学―微分積分学の基礎理論案内

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  • サイズ A5判/ページ数 177p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784489007088
  • NDC分類 413.3
  • Cコード C0041

内容説明

高等学校の微分積分で学んだ「ロルの定理」は最大値の存在定理を使って証明される。では、この最大値が存在するという事実が成り立つのはどうしてだろうか?数学的にはどう証明すればいいのだろうか?本書は、こうした観点から、微分積分学の基礎理論となるものを見つめ直し、現在の解析学の基盤となる、位相空間論の諸概念まで、読者を誘う。この部分の難しさは、多くの公式や予備知識を必要とするというのではなく、概念じたいの納得の難しさに、まさに直結している。イメージだけでも、論理だけでも、なかなか理解しづらい難関を、ユニークな構成にしたがって一つひとつじっくりと解説する。

目次

第1章 ロルの定理を見直す
第2章 実数の連続性ということ
第3章 数列の極限と四則演算
第4章 関数の連続性について
第5章 関数の一様連続性と積分の存在
第6章 位相空間と連続写像

著者等紹介

瀬山士郎[セヤマシロウ]
1946年群馬県に生まれる。東京教育大学理学部数学科卒業。1970年より、群馬大学教員。数学教育協議会会員。専門は位相幾何学(トポロジー)、最近はグラフ理論を勉強している。大学では1年生の教養数学を担当。基礎的な微分積分学と線型代数学の他に、集合論・論理学・算数学・パズル・トポロジー・数論などの入門的な講義を開いてきた。何はともあれ、数学に親しんでもらうことをモットーに、大学での授業のほか、各地で講演などを続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中年サラリーマン

14
痒いところに手が届き大変面白い。ロルの定理からの平均値の定理、テーラーの定理への展開、そして微分積分へたどり着くストーリ展開と。ロルの定理の基礎となるワイエルシュトラウスの定理から実数の連続性、そして位相空間への橋渡しなど数学の楽しさを十分に感じられる一冊。おすすめです。2014/04/01

じゅう

2
数学の解析が好きな方は是非読んで欲しい素敵な本です。直観的には理解できるが故に深く考えることを怠りがちな部分を厳密に追っていきます。ロルの定理を証明するために前提とされていたワイエルシュトラスの定理の証明がなされるところが最大のクライマックス。区間縮小法は大学で習わなかったのですが、なるほどと納得しました。2016/01/22

まじぇすた

2
連続性について詳しく説明している本。数学の証明の読解はとても骨が折れるので、今回は雰囲気を掴める程度に斜め読み。(学生のときには気にもしなかったロルの定理と)中間値の定理がこんなにも奥深いものとは思わなかったので新鮮だったし、何となく聞いたことのある定理の関係が少し分かった(デテキントの切断定理→ワイエルシュトラスの定理→ロルの定理)。最後の章の「位相空間」はまったく分からず撃沈した。。。読み物としては、遠山先生の「連続と無限」、デテキントの「数について」の方が楽しめた。2013/09/30

BIN

1
高校で学ぶ微積分では直感的で曖昧な部分で合った部分もより厳密に定義して解説してくれている。連続でないと成り立たないことから、連続性についてデデキント切断も含めて非常に詳しい。高校時代ではさらっと流していたロルの定理や中間値の定理とか、大学で触れるε-δ論法の重要性が改めてわかった。ただ当たり前だが数学好きしか読まないであろう内容ではある。2015/04/26

かしゃるふぁ

1
高校の数学と大学の数学を繋いでくれる1冊。高校では曖昧に済ましていたロルの定理の話から入り、証明を再吟味する。その厳密な証明に向かうために、εδ論法、実数の連続性、区間縮小法、ワイエルシュトラウスの定理へと話を進めていく。この話の流れは自然で分かりやすく、瀬山さんの説明も非常に丁寧だ。最後の位相空間論の話はハードルが高いが、他の部分は高校の数学をきちんと勉強していれば、スムーズに理解していける設計になっていると思う。高校と大学のギャップを埋めてくれそうな良い本だ。2013/06/27

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