出版社内容情報
22世紀、氷殻の下に液体の海を持つ木星の衛星エウロパで、初の地球外生命が発見された。有人探査に赴いた女性科学者たちは、次々と襲いかかる危機に敢然と立ち向かう!
内容説明
22世紀初頭、木星の衛星エウロパで小さな生物の死骸が発見された。エウロパの分厚い氷殻の下にある液体の海で、独自の生命が進化していたのだ。だが、ファーストコンタクト(地球外生物との初遭遇)を期待しつつ探査を始めた女性科学者ボニーたちは、未知の生物に襲撃される。さらには探査の方針をめぐり深刻な対立も発生。次々と襲いかかる危機に、ボニーは敢然と立ちむかう!
著者等紹介
カールソン,ジェフ[カールソン,ジェフ] [Carlson,Jeff]
1969年カリフォルニア州生まれ。アリゾナ大学で英文学を専攻し、運転手、印刷工、建設労働者などの職を転々としたのち、2002年にSF作家デビュー。07年発表の初長編Plague Yearは好評を博し、翌年発表の続編Plague WarはP・K・ディック賞候補となった。『凍りついた空』の原型となった中編版は、07年第1四半期のライター・オブ・ザ・フューチャー・コンテストで優勝している
中原尚哉[ナカハラナオヤ]
1964年生まれ。1987年、東京都立大学人文学部英米文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
44
読破。中国とブラジルといったBRICを構成する国家の躍進が伺える。日本は…ちょろっと出てきた程度だったかな(笑)あらすじにもあるように、ファーストコンタクト物ですが中間辺りの政治的駆け引きの部分は正直飽きるかな。それと、まぁ今では性的な部分というのもSF作品でも普通に登場するようになったけど、ちょっとその部分は眉を顰めてしまう。必要ないような気もするし…。2015/09/07
新田新一
28
22世紀の初頭、エウロパで生物が発見されます。その生物はエウロパにある海で独自の進化を遂げたものでした。主人公の科学者ボニーは仲間と協力して、ファーストコンタクトを試みますが、容易ではありません。地球では各国の思惑が入り乱れて、エウロパの生物の搾取さえ取り沙汰されるように。非常に面白くて、読み出したらやめられなくなりました。エウロパの生物にどれぐらいの知能があるのかが絶えず問題にされます。単なる動物なので人間が利用しても構わないという意見を退けながら、探索を進める主人公たちの姿に胸が熱くなりました。2024/12/30
miroku
26
エウロパの氷の中に住む知的生物とのファーストコンタクト。限定条件のつけ方に工夫あり。2018/12/27
鐵太郎
15
久しぶりのファーストコンタクトSF。出だし、主人公が命からがら極寒のエウロパを逃走する場面は、最近読んだSFとしては珍しく(笑)引き込まれる。スリリングな展開に、こりゃあいけると思って読んでいったが、登場人物たちの牽強付会ではないにしても我田引水な推量の積み重ねに鼻白んだ。結果オーライな終幕はお約束通りなので、お話として上手くまとまっているのだけれど、納得しにくいところ。途中途中に出てくる地図も、なんだか意味不明。でも、SFガジェットの積み重ねとあり得べき未来のテクノロジー描写は見事。2015/04/02
ノリピー大尉
14
エウロパへの有人ミッションで、クルーが氷殻内部に潜む未知の生物に襲撃された。地球では、この生物発見がもたらす影響をめぐって利権闘争が始まった。エウロパの内部環境や生物進化に関する科学考証は十分だと思うが、登場人物や政治の背景が描写不足に感じられた。2015/03/01