内容説明
銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。日本SF史に名を刻む壮大な宇宙叙事詩、星雲賞受賞作。
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。78年「緑の草原に…」で幻影城新人賞受賞。88年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピバラKS
153
●帝国軍「常勝の天才」ラインハルトと同盟軍「不敗の魔術師」ヤンを軸に描く宇宙戦記。●黎明編では、アスターテ会戦での両主人公の邂逅、難攻不落を謳われるイゼルローン要塞攻略戦、撤退戦に注目のアムリッツァ会戦が見所だ。第三勢力の経済大国フェザーンや怪しげな宗教団体「地球教」の動向も興趣湧き立つ。●また、名将と愚将に道義上の優劣はないとし、愚将が味方を百万人殺すのも、名将が敵を百万人殺すのも、大量殺人者として差がないとする。この物語は、こうした蘊蓄語りが多く、社会や人生を考えさせられる。2024/05/29
おかむー
143
何度目の再読か覚えていないけれど、やはり和製スペースオペラ(このジャンル最近聞かないね)のひとつの頂点といえる作品だけあって面白さは色褪せない。『絶品』寄りの『たいへんよくできました』。架空戦記としての面白さは無論のこと、民衆の自由を謳う自由惑星同盟のヤンが手足を縛られつつ戦いの意義に迷うのに対して、専制君主の座へ駆け上るラインハルトが迷いなく突き進む(制限はあるが)ある種矛盾する構図がこの作品の大きな軸なのだね。しかしノベルズ時代からだったか「たいはん」のひらがな表記はものすごく引っかかる( ̄▽ ̄)2016/01/04
ぶち
121
SFというより、戦国物あるいは軍記物を彷彿とさせます。 銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる戦争。両者の間で暗躍するフェザーン自治領。三者とも、それぞれに政治的権力闘争の問題を抱えています。この舞台の上で繰り広げられる宇宙船による戦闘は、陸上の歩兵による肉弾戦と違って、先の先を読み合う頭脳戦です。これだけでも面白いのに、そこに個性あふれる多彩な人物が多く登場してきます。帝国の将ライハルト、同盟軍の戦略家ヤン。二人が今後どのようにまみえていくのかたいへん楽しみです。2020/11/03
いーたん
116
再読。OVA版は何度も視聴。 銀河の歴史を紐解く一冊。陳腐な表現になるが、最高に面白いスペースオペラ。 魅力的な登場人物と台詞たち。とくにこの巻での好きな台詞はビッテフェルト提督の『進め!進め!勝利の女神はお前らに下着をちらつかせているんだぞ!』下品でもあるがこれほど士気を高める言葉は他に浮かびません。 OVA版を視聴しているので、脳内で場面再生、脳内アテレコできるので読書というよりOVAを観ている感じです。2014/07/02
金吾
101
○何度か読んでいる本ですが、やはり面白いです。スケールも壮大で人物設定も細部までできており好きな作品です。ただアムリッツァの補給は陸軍ではないので、あの段階においてはまだ致命的ではないのではと感じました。2020/06/26