内容説明
2034年、地球の夜空から星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包みこんだのだ。世界を恐慌が襲った。この球体について様々な仮説が乱れ飛ぶが、決着のつかないまま、33年が過ぎた…。ある日、元警察官ニックは、病院から消えた若い女性の捜索依頼を受ける。だがそれが、人類を震撼させる量子論的真実につながろうとは!ナノテクと量子論が織りなす、戦慄のハードSF。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かえで
65
地球の夜空から星が消えて33年…元警官のニックは病院から忽然と消えた女性の捜索を依頼される。そしてある衝撃の事実に行き当たる…「量子力学」という馴染みのないものが物語の核になっているため、理解が追い付かなくて大変だった(解説で文字通り詳しく解説されているので、それで理解できた)。難しいけど、今まで読んだことのないハードSFで楽しめた。モッドや新香港のテクノロジー描写(これが本当に良い)、星が消えるという壮大なアイディアと量子力学を大胆に解釈したストーリー、自己とは何かというテーマ。読み応えは抜群です2015/10/14
催涙雨
55
今まで読んだ短編もそうだったがこの作品もアイデンティティがテーマのようで、ふたつのモチーフを交差させてそれを語っている。「脳神経をナノマシンで再結線して用途別にコンピュータ化するというもの(解説)」この“モッド”というガジェットには人格や考え方を本人の生来のものとは異なった性質にするような機能も含まれる。個人の形質をまったく別のものにすることは、人間の本質の所在、つまりアイデンティティはどこにあるのかという考え方に繋がっていく。もうひとつは波動関数の収縮と拡散という量子力学の理論とアイデンティティの関係性2019/07/29
GaGa
49
量子力学などの単語が前面にでているが、実は非常にオールディな内容で、八十年代のSF作品のような心地よさがあった。初めにドカーンっと、大きな設定をぶつけておいて波動関数の収縮へとテーマを持ってくるあたりは、作者の想像する内的宇宙へ引きずり込むのが狙いであり、それだけを楽しめれば、もう本作を読んだかいがあるということ。それでいいと思う。2011/11/20
ntahima
48
決して読みやすくはないガチなハードSF。題名からもっと宇宙宇宙した話かと思っていたが映画『ブレードランナー』を思わすハードボイルドな幕開け。初めて量子論に接した者なら誰もが感じる驚異を確信犯的にマクロの世界に拡大して描いてみせた混沌の物語。量子論に関する専門知識は不要だが、どの辺で話を膨らましているか知る為に入門書位は読んでおくことを勧める。「拡散・収縮・固有状態」の物語と言っても良い程、この三語が繰り返される。この語のイメージが掴めるかが楽しめるかのポイント。観測者よ!あなたは誰?全てが起こる世界とは?2011/09/30
がらは℃
31
モッドやバブルなど、設定の凄さに脱帽。そして量子学をベースにした人類の解釈が、これまた凄い。まさにSFの中のSFという感じかなあ。映像化されてないのかな?収縮の場面とか3Dでブワーっとやると面白い映像が出来そうに思うなあ。2012/05/10
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