創元SF文庫
クロノリス―時の碑

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  • サイズ 文庫判/ページ数 483p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488706074
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

20年先の未来から次々と送り込まれる巨石、クロノリス(時のモノリス)がその出現エネルギーで都市を破壊してゆく。空前の時間侵略戦争。『時間封鎖』の著者が贈る巨編。

内容説明

2021年、タイ。とある夏の未明、天を衝くかのごとくに巨大な塔が轟音とともに出現した。それには20年先の未来の日付が刻まれていた。クロノリス(時の石)と名付けられた巨塔は、その後も続々と現代へ送り込まれ、出現エネルギーで世界各地の都市を破壊してゆく。アメリカの国家機関はついにその出現予知に成功するが…。物語は刻々と2041年へ迫りゆく。空前の時間侵略SF。キャンベル記念賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

34
解説にもあるが、最初にかませられる設定が強引だけどもある種の潔さを感じさせるところが、この作者の力量である。この後に書かれることになる「時間封鎖」や「無限記憶」の原点となった作品かも知れない。大いなる脅威に対してさして権力のない人たちの視点から描き、人間たちというものを改めて見据えさせる。秀作。2011/06/29

キキハル

18
現象はSFだが描かれているのは、巻き込まれてしまった人々の家族模様であり人間模様である。2021年のタイに巨大な塔が突如として天から墜ちるように現れた。それには20年後の日付とクインという名が刻まれていた。やがて世界各地に出現するようになるが・・。タウ・タービュランス理論なども出てくるが、主役は人間である。クロノリス出現を食い止めようとする研究者たち。クインの名を騙るカルトな人々。災厄の中で親子や夫婦の絆を保ち続けられるのか。最後まで読んでなるほどそうだったのかと腑に落ちた。人間ドラマとしても秀逸である。2011/08/15

もち

13
「そういう偶然の一致が、ぼくは好きじゃないんだ」◆20年後から送り込まれた巨石が、世界を変えていく。タイにて第一号クロノリスの顕現に立ち会ったスコットたち。その瞬間から、捻れた時間を舞台にして、見えない敵との戦いが始まった。■時を固めた塔を巡る攻防戦。このキャッチーさ、ずるい。時間SFお馴染みのパラドックスは、絶妙な手腕で包まれて読者に呈される。だからこそ、地球規模のドラマと小さな人間関係が交錯するプロットの、純粋な面白さに浸れるのだ。2019/04/28

鷹図

10
久しぶりのSFだったが、大変面白かった。タイの山奥に突如として現れた巨大な石柱。台座部分に刻まれた文字を解読すると、どうやら「クイン」なる人物が、20年先の未来から送りつけてきた「戦勝記念碑」であるらしい。クロノリスと名付けられたそれらは世界各地に出現し始めるも、打開策のないまま20年の月日が流れ…。ガチガチのSFではあるが、物語のタイムスパンを長くとることで家族愛をメインとした骨太な人間ドラマが展開する。全編を通じてカタルシスはほぼ皆無だが、SFには何よりリアリティを求めるという諸兄にオススメの大作。2012/01/06

おーすが

9
『時に架ける橋』から『時間封鎖』の間にそびえるクロノリス。このあたりがRCWの転換点なのでしょう。「人は悲しみを溜めるバケツ」このウジウジした感じがあいかわらずたまらない。2020/07/23

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