内容説明
蘇生への一縷の望みを託して低温保管器に収められたマイルズの遺体が行方不明に。一体どこへ消えたのか?マイルズの訃報は故国バラヤーにも伝えられ、彼の皇位継承権はマークが引き継ぐこととなる。だが皇位への忌避感から、マークは全力をあげて遺体の捜索にとりくみ…機密保安庁に先んじて手掛かりを得た彼は、傭兵艦隊の面々を率いて出航する。マイルズ奪還はなるのか。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。
著者等紹介
小木曽絢子[オギソアヤコ]
東京女子大学文学部英米文学科卒
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感想・レビュー
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Masa
17
読了。ここまでヴォルコシガンシリーズを読んできて本当に良かったと思った1冊。「ビジョルドすげー」です。もうこのタイトルにすべて集約されているようなぁと。いったいどれくらいの「ミラー・ダンス」が作中にあったのか。過去作とのミラー・ダンス。一番印象的なのは、マイルズの問題をもとにアラールとコーデリアの関係をうまく描いたなということ。もう鳥肌モノでした。こればかりは『名誉のかけら』と『バラヤー内乱』読んでから手にとって良かったと思います。そしてこれが、未来作との「ミラー・ダンス」になることを期待するわけです。2019/04/08
本の蟲
11
邦訳第2作「親愛なるクローン」と対をなす邦訳第8作の下巻。マークとマイルズの関係も4年越しに落ち着いて何より。いずれ現実にも起こりうる、人クローンの倫理や権利関係を考えさせられる作品。無論エンターテイメントであり、ほとんど主役のマークがアイデンティティを確立して、進路の長期計画を立てられるようになったのは感無量。それにしても際立つのはコーデリア・ヴォルコシガンの女傑ぶり。淑やかに強かに、惑星バラヤーを手のひらで転がしてる(笑)2020/10/12
Ribes triste
11
マイルズのクローンであるマークが、自分をみつける物語。 とても感動的でした。2018/01/10
スターライト
7
マイルズとそのクローン、マークの冒険を見立てたタイトルかと思ったが(それもあるみたいだが)、ダンスの一種なのね。非合法のクローンに伴う人身売買を止めようとするマークの姿は、その後のストーリーを見てもこれは彼自身の成長の物語だったんだなあと得心。暗殺するための様々な体術が、自身の危機からの脱出とひいては行方不明になったマイルズを救うことになり、運命とはわからない。悪役のジャクソン統一惑星の大豪たちのキャラクター造形も巧みで、ヒューゴー賞受賞もむべなるかな。2021/01/20
鐵太郎
7
「女が持っている一番大切なものってなあんだ?」「信頼」 「きっと明日は早起きするよ。することがたくさんあるから」「一からのはじまりに、ようこそ」 ──そう、人生には、やり直せるときもあるのです。2005/09/10