創元SF文庫
未来医師

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488696191
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

医師パーソンズは突如として25世紀の北米へ時間移行した。そこでは人種の混交が進み、全員が混合言語を話し、複数の部族に分かれて生活している。人間の平均寿命は15歳、さらに医療行為が重大な罪とされていた。この悪夢的社会を変えようとする一派の活動に巻き込まれたパーソンズは、さらに幾度も時間航行に連れ出され、重要な役割を果たすことに。時間SFの秀作、本邦初訳。

著者等紹介

佐藤龍雄[サトウタツオ]
1954年生まれ。幻想文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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sin

64
医療が罪とされる未来、誕生は管理され死は生へのバトンタッチ…死と社会の融合。この作品でディックは現代人が死を考えない事はそれをないがしろにしていると説いているようだ。さて、ディックと云えば主人公のアイデンティティーの揺らぎに焦燥感を募らせてヒリヒリする感じが常にあったように覚えているがこの作品からはそれが感じられない。医師と云う立場に確たる自信を持った男が主人公だからだろうか?それともエンターテイメントに徹した構成の故か?物語としては整合性を持つが彼の作品としては物足りなく感じた。2021/12/19

催涙雨

31
「ベッドに寝っ転がってポテトチップスでも齧りながら御笑読していればよい作品。フツーのタイム・パラドックスSFである。短編“Time Pawn”(1954)の長篇化。例によって金目当て。」上記は銀星倶楽部からの一部引用。身も蓋もないようなひどい言い様だが真剣に読んでも得るところの少ないエンタメ特化な作品なのでまあ無理もない。人種の混交、出生のコントロール、そして何より医療行為の違法化と死の尊重。未来世界の価値観や設定に関しては魅力的と言っていい。「治療など狂気の沙汰だ!もし人の怪我や病気がすべて癒やされたら2018/07/11

GaGa

14
案外まともなので少し拍子抜け。まあ、傑作ではないにしろ、今まで訳されてきたものの中では、明らかにこれより劣る作品もあるのだが…むしろ、ディックとしては破綻していないことが魅力を乏しくさせるのかも。途中のドタバタも割りと整合性に満ちていたし…2010/07/14

葵衣

12
医師パーソンズはある日突然、25世紀の未来に飛ばされる。その未来における人間の平均年齢は15歳、そしてそこでは一切の医療行為が禁止されていた……。あらすじから私が最初に漠然とイメージしていたお話とはかなり違って、特に後半は先が気になって一気に読んだ。主人公にはある理由からそこまでの好感は持てなかったけれど、私の好きなタイプの時間SFだった。2016/06/09

冬鹿

11
未来の自分が意図せず起こしてしまった殺人を未来の自身の子供が過去に戻って解決するという時空を飛び回るSFサスペンスでした。最後がよかった。途中で自分を救った石碑は自分で作ったものなんだな。長く残る媒体に石を選ぶアイデアは、、あれ?もしかして三体はこれのオマージュか?それとも未来に飛んだディックが三体からアイデアを得ていたり?笑2023/10/19

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