創元推理文庫<br> 白銀の聖域

創元推理文庫
白銀の聖域

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488652081
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

氷、見渡すかぎり一面の氷。人々は巨大なクレヴァス都市に暮らし、氷上帆船を走らせ、陸鯨を狩って生活していた。だがこの世界は衰退しつつあった。氷が溶け始めているというのだ。真実を確かめるべく、コンラッドは巨大帆船を率いて旅にでた。伝説の「氷の母」の住まう都市、誰も到達したことのない幻の都めざして―その名をニューヨークという!巨匠が紡ぐ驚異の新世界。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

拓也 ◆mOrYeBoQbw

16
SF長篇。遠未来、地球上が氷で覆われ人々は巨大なクレヴァスに穿たれた八つの都市に住み、氷上帆船を走らせて陸鯨を捕っている時代。しかし氷が溶けはじめ世界が衰退していきます。主人公が操る一隻の巨大な氷上帆船が、誰も到達したことのない幻の都市ニューヨークを求めるSF冒険譚。この作品は主人公を始め描かれる人物像がドストエフスキーの『悪霊』、ジッド『狭き門』などの影響を感じさせ、信仰と無神論、美徳と悪徳、価値観の新旧と、それらが交じり合って紡ぎ出される悲劇をよく表現しています。ムアコックらしい作品と言えますねー2016/07/25

鐵太郎

10
遠い未来、氷河期となった世界は、一面の氷に覆われた世界です。テクノロジーは衰退し、動力を操る技術は失われています。氷原を走るのは、遙かな過去海上を疾駆した帆船と同じ帆を備えた氷上帆船。交易するためと、「陸鯨」を捕らえるために使われており、名を上げた船長は有名です。陸鯨を捉えるイメージは「白鯨」のイメージそのもの。こんな世界で繰り広げられる冒険と三角関係のどろどろ。なんだかな。2008/05/05

斑入り山吹

6
ブックオフで目があった。ムアコック氏の本はいくつか読んだことがある。物語のうねる力の強さは抗いがたいが、女性観に辟易とする、ってのがパターンなんであった。この本はどうだったか、というと、やっぱりそんな感じ。でも、ムアコック氏が創造した世界とそこでもがくキャラ、凄いんですよ。リアルというのとも違うんだけれど、とにかく引き込まれてしまう。参りました。陸鯨、ヒロモト森一氏の『STONe』を思い出したよ。雪の中に消えていくラスト、筒井康隆氏の『旅のラゴス』を彷彿とさせる。いやあ男っぽい話だった。2011/08/08

ヴィオラ

3
全てが氷に覆われた世界で、氷上帆船に乗り込んで陸鯨を狩る男達。巨大なクレヴァスの中に築かれた〔八都市〕、北方にあると言われる伝説の都市〔ニューヨーク〕、徐々に暖かく変わりゆく世界…。女性の描き方など、さすがに古さはいかんともし難いし、ニューヨークに辿り着いて明かされる真相(?)もベタっちゃベタなんだけど…。なんだか楽しいなぁ。色々未訳のムアコック作品も、どっか出してくれんものか?2011/12/03

KBS

3
とにかく氷に覆われた未来の地球とその上を走る船という世界観のイメージが魅力的な小説。物語もムアコックらしさを押さえつつも作品には出過ぎてはいない構成なのでムアコックの中ではかなりとっつきやすい部類の本かなと思う。2011/09/30

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