感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
44
「猿の惑星」のアイディアは、太平洋戦争時の東南アジアで、その当時のピエール・ブールが「黄色いサル」と差別していたであろう日本人に徹底的に打ちのめされた恐怖の原体験からと言われている。日本人は単なる西洋の猿マネ野郎と思っていたが、何で日本人だけが白人に歯向かうんだ!フランス人は実は人種差別が好きだったか。結構面白いだけに少々複雑な気分になるのだ。2021/04/17
yapipi
25
フランスは主にアフリカとインドシナに植民地を持ち、現地住民を奴隷化した。当時の価値観ではそれは当然だった。しかし20世紀半ば以後それが悪いこととされるようになったことで、フランス人は贖罪意識を持つようになった☹️今に罰せられるのではないかという恐れが、作者にこの小説を書かせたと言われている。なるほど、小説には人種差別感が色濃く出ています💫しかし、大部分の日本人は人種的劣等感がほとんどないので、この小説をエンターテイメントとして読めます。映画も面白かったし小説もよかった。ノヴァよりベラを好きになるかも2026/06/15
イリエ
10
主人公が体育会系の映画とは違い、小説版は文化系なうえ、世間ずれした奴です。それにゴリラが頂点のヒエラルキーです。社会も違っていて、飛行機がとんでいます。何よりも大きく異なるのは、ジラへの想いでしょうか。立場の逆転、人間の模倣をすることで地位を高めた猿、とくれば日本人のことを想定しつつ書いたのがよくわかります。ただ、それで終わらず、そんな人間って何? と猿への怒りを己に向き直すことで、倍増する面白さ。将来は人間の手助けをするはずの機械にとって代わられるかもしれないという指摘。映画とは別の面白さがあります。2018/07/24
えふのらん
9
これほど風刺として読まれて損をしている作品も珍しい。確かに獲物の記念写真を撮る場面は南京を思わせるが、それ以外に”黄禍論”を臭わせる描写はない。むしろ執筆動機としての差別意識よりもあらゆる人外に対する恐怖が全体を覆っている。パブロフ流の条件反射実験、学習性無力感の誘発、脳深部刺激実験……こういった心を壊す作業が猿によって行われることで、人間の無力がより浮き彫りになっていく。2022/08/24
一式隼
4
第二次世界大戦で日本人と戦った白人が、「あれ? 東洋の黄色いサルのくせに、なんかメチャ強くね?」「未開の黄色いサルのくせに、なんか優秀な兵器(ゼロ戦やら酸素魚雷やら連合艦隊やら)駆使してて、戦術すごくね!?」「非文明の黄色いサルの、俺ら捕虜になっちゃったよ!」といった実体験、カルチャーショックの記憶をもとに、白人至上主義の自然で素直な発露、視点から書かれた風刺SF。 2020/06/01
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