内容説明
地球への移住を試みる宇宙人に降りかかった皮肉な運命を描く「宇宙からの来訪者」。地球人の青年が、辿り着いた火星で新たな人生を模索する「地球喪失ののち」。高い文芸性を湛えた掌編「野の花」など、“サイエンス・フィクションのモチーフをさまざまな型の小説に当てはめてみた”と著者が語る、バラエティに富んだ10編を収録。『トリフィド時代』で知られる鬼才のSF傑作集。
著者等紹介
大西尹明[オオニシタダアキ]
1918年生まれ。早稲田大学英文科卒業。明治大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さな
8
これが60年以上前の小説とは恐れ入る。他のアンソロジーで読んだ「強いものだけ生き残る」に衝撃を受けたので購入。この作者さんの短編集は初めてだけど、自分にとってハズレはなかった。前述の「強いもの~」がやはり圧倒的だけど、「同情回路」怖い!あまり設定が捻っておらず、シンプルで短い短編なのになんだコレ。こんなロボット嫌だなー。あとは「クロノクラズム」がすごく好み。ひたすら切なくてロマンティックなSF。最後にじんわり悲しみが浮かんでくる。ウィンダム好きだなー。2017/08/10
しい太
2
前書きと解説によると、スペースオペラが流行っていた時期にあえて発表していた「他文学の定型をSFに取り込んだ実験的作品」を集めたものらしい。極限状況のサバイバルや宇宙人と奴隷制、魂と肉体等々、今となってはかえってSFのスタンダードになっている題材(つまりそういうスタイルのパイオニアか)を全体的にシニカルに描いている。「不老長寿の夢」や「頭の悪い火星人」が特によかった。2020/10/15
岡部淳太郎
1
やっと読了。絶版になっていたのを復刊したからか、活字が小さくて、最近ますます目の悪くなってきている自分には読みづらかった。こういうところ、出版社としては何とかしてほしい。 肝心の内容だが、ウィンダムのそれまでのイメージが良い意味で覆された。ウィンダムというとどうしてもあのトリフィドを思い出してしまうのだが、これはああいう感じではなくテーマ的にバラエティに富んだ純粋にSFとして面白い短編集だった。個人的には「ポーリーののぞき穴」が一番好き。2013/12/01
YTY
1
破滅SFで有名なウィンダムだけど、この短篇集はわりと普通のSF。「ポーリーののぞき穴」「頭の悪い火星人」あたりが面白い。2012/10/03
llll'
0
2013/01/19