創元推理文庫 叫びの館〈下〉

デイヴィッド，ジェイムズ・Ｆ．【著】〈Ｄａｖｉｄ，Ｊａｍｅｓ Ｆ．〉/公手 成幸【訳】

東京創元社（2016/08発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 333p／高さ 15cm
• 商品コード 9784488591038
• NDC分類 933
• Cコード C0197

出版社内容情報

平和だった町では牧師が異様な死を遂げ、近隣の男子学生が何者かに相次いで襲撃された。そしてウェスたちの館では、壁に塗り込められた小部屋から謎の白骨死体が発見される。サヴァンたちに向けられた警察の疑惑を晴らすべく奮闘するエリザベスは、四十年以上前に同様の連続殺人が起きていたこと、その原因となったある一家を襲った悲劇を知る。一方、不思議な挙動を繰り返す合成人格・フランキーは、プロジェクトに潜り込んでいた異常殺人者の人格と能力に干渉を始めてしまい……かつてない奇想で贈る、瞠目の新世代ホラー！

ジェイムズ・F・デイヴィッド［ジェイムズ・Ｆ・デイヴィッド］

公手成幸［クデシゲユキ］

内容説明

館から発見された少女の白骨死体。フランキーは、かつてこの家に監禁されていた彼女の残留思念に影響されているかのような不思議な挙動をみせる。しかも研究チーム内に潜んでいた悪意ある能力者の暗躍が、研究チームや被験者、そして町の住民の身を脅かすまでに増長していた。心理学者ウェスは仲間たちとともに圧倒的な力と対決する。かつてない奇想で贈る瞠目の新世代ホラー！

著者等紹介

デイヴィッド，ジェイムズ・Ｆ．［デイヴィッド，ジェイムズＦ．］ ［Ｄａｖｉｄ，Ｊａｍｅｓ　Ｆ．］
アメリカの作家、心理学者。オレゴン州にあるジョージフォックス大学の教授。ＳＦやホラーのモチーフを、ミステリの筋立てで書くジャンルミックス的手法で長編作品を執筆。１９９５年、Ｆｏｏｔｐｒｉｎｔｓ　ｏｆ　Ｔｈｕｎｄｅｒでデビュー

公手成幸［クデシゲユキ］
１９４８年生まれ。同志社大学文学部卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[absinthe]

ホラーの割にはあまり怖くなかったが、科学的設定は面白かった。荒唐無稽でハチャメチャになる寸前、超能力に歯止めをかけるルールも存在してリアリティを保てたのだとおもう。 特に下巻中盤からのスピード感は楽しかった。この手の話の難しさは、唯物論と物心二元論の融合の難しさだろう。唯物論中心の上巻から完全に物心二元論の下巻への移行が行われるが、科学者は何も疑問に思おうとしない。 何か信じきれないと言うばかり。これなら主人公は科学者にしなくて良かったのでは？ラルフの主観で物語を書いて欲しかった。ラルフは気に入った。

2017/02/22

[HANA]

全編が助走みたいだった上巻を経て、大暴れの下巻へ。とはいえイメージとしては、実験の結果等を生かし切れていないように思える。過去に事件のあった家、そこで行われる精神実験、その結果生まれる……と言った粗筋からは、どうしても上質のオカルトやパニックホラーを期待しちゃうじゃないですか。で、蓋を開けてみたらそんなものは背後に追いやられて、一人のアレにしか焦点が当てられていないわけですよ。せっかく面白そうな材料を用意したのに、調理しそこなったような感じ。色々詰め込みすぎて味が濁った様な話でありました。勿体ないなあ。

2016/11/08

[にゃー]

下巻は俄然読んでて面白くなるけど二つの話があまりうまく繋げられなかったかな、クライマックスは超能力者vsサヴァン（一般人）。タイトルの叫びの館とゴシックホラーで読む人限定されて損してそう。。

2019/07/02

[花川戸助六]

てんこ盛りの内容をなんとかまとめての、下巻ですね。 どうなるの〜！！って一気読みして、面白かったよ。

2016/09/14

[松田望]

小説というより映画、それも僕が好物の大作ハリウッド映画、どんだけいろんな要素を詰め込んでいるんだよとサービス精神満載の作り、僕は嫌いじゃない。こんだけ面白い小説を年に何冊読むことができるというんだ？　文学的余韻も糞もないが。スタージョン『人間以上』のしびれるほどに感動的な冒頭に比して後半の尻つぼみ感といったらないので、この小説と足して二で割ってほしい。しかし後半ミステリ的な展開を期待してたらオカルト全肯定なことにビックリクリクリクリックリ！　新年最初に読んだ本がこれとは幸先がいい。

2017/01/06