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創元推理文庫
真夜中の檻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 427p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488585013
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



平井呈一[ヒライテイイチ]
著・文・その他

内容説明

本邦ホラー屈指の傑作として名高い「真夜中の檻」。都会の片隅に芽生えた悲しくも不可思議な恋の物語「エイプリル・フール」。恐怖と浪漫の横溢する創作全二篇に、英米の怪奇作家とその作品、さらには幽霊実話を造詣深く語るエッセイを併録。『吸血鬼ドラキュラ』等の名翻訳家、海外怪奇小説紹介の先駆者として知られる平井呈一の全容を明らかにする、ホラー・ファン垂涎の一冊。

目次

真夜中の檻
エイプリル・フール
海外怪談散歩
西欧の幽霊
私の履歴書
付・『真夜中の檻』序跋

著者等紹介

平井呈一[ヒライテイイチ]
1902年東京生まれ。本名・程一。早稲田大学英文学科中退。翻訳者・英文学者・編集者。中菱一夫名義で小説「真夜中の檻」「エイプリル・フール」を発表。1967年に『全訳小泉八雲作品集』全12巻完成により日本翻訳文化賞受賞。1976年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

64
怪奇小説の翻訳を読む上で避けては通れない著者であるが、本書は彼の創作した怪奇小説二編とエッセイが収録されている。創作は「真夜中の檻」と「エイプリルフール」。イメージとしては正反対だが、ファム・ファタルの登場は共通しているような。個人的には「真夜中の檻」が好み。著者はエッセイでマッケンを礼賛しているけど、この「パンの大神」を別の方向から眺めたような作品を差し出されては、怪奇小説好きとしては狂喜乱舞せざるを得ない。著者の翻訳作品に親しんだ身としては、小説とエッセイ最初から最後まで徹頭徹尾読みごたえがあった。2019/07/08

さつき

62
怪奇小説の翻訳家として知られる平井呈一の作品『真夜中の檻』『エイプリル・フール』の二編と、海外の怪奇小説家や幽霊譚に関するエッセイが収められています。『真夜中の檻』はミステリアスな美女 珠江に囚われていく男性の様子が叙情的に綴られています。女の私から見ると、怪異を感じてもなお珠江に惹かれ続ける主人公が怖いです。『エイプリル・フール』はミステリー風な作品で楽しく読み始めましたが、結末にひんやりした気分になります。東雅夫さんによる解説に書かれていた平井呈一と永井荷風との確執には驚きました。2018/08/24

ホークス

45
平井氏を知ったのは怪奇幻想ファンの端くれだった1970年代。本書は氏の事績を伝える一冊で小説も2篇含み、序は弟子の荒俣宏。表題作は静かさや暗さの描写が丹念で、詩的な冗長さも西欧怪奇譚の味わいである。ブラックウッド、マッケン、ラヴクラフト等への愛情溢れる解説が懐かしくて泣かせる。求めるのは「恐怖の快感」だが、因縁や残酷趣味では得られず、体感や雰囲気のリアリズム追求からこそ得られる、と言う説に共感する。怪奇小説は生きる苦しみを相対化してくれる鎮痛剤。自分は間違いなく助けられた。また読んでみようかな。2018/07/18

ワッピー

33
怪奇を語る文学に魅せられ、長く翻訳に携わり、全集・アンソロジーを編んできた平井呈一がついに自ら創作の筆を執った2編、氏が尊敬するマッケンの「白い粉薬」への日本的オマージュ?「真夜中の檻」、人妻に送られてきた恋文の顛末「エイプリル・フール」を収録。また後半には氏が書いた解説・あとがきを集め、さらにそこで言及されている作品のリストもあり、古典的怪奇文学の扉本としておススメ。またいっとき師事した永井荷風との諸々のいきさつにも言及した紀田順一郎の解説があり、平井呈一の世界を俯瞰できる貴重な入門書でもあります。2019/10/25

MF

29
同じ創元文庫からの『幽霊島』の登場を寿ぎ再読。表題作および『エイプリル・フール』はこの2篇しかないのが無念としかいいようのない貴重な創作だが、この2つだけで氏の愛した「怪奇」の領域をカバーしているのが流石ともいえる。付録の項数がこの2篇の項数をむしろ上回るのはやむを得ないが、それらが質の面でも一人の文人の姿を浮き彫りにするに足る優れたものであることが本当に素晴らしい。19年後に出た今回の『幽麗島』と同じく、生前に親交のあった人々の手になる編纂、刊行ゆえのことと感じ入る。2019/11/17

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