内容説明
時は3月。探偵志願の少年・狩野俊介の再訪を待つ野上の事務所に、謎の少女が現われ、両親を殺した犯人を捕まえてくれと依頼した。不審な大金を携える少女の無礼な態度に腹を立て、冷たく追い返したものの、野上は少女のことが気にかかっていた。彼女の残した落書きを手がかりに俊介と調査を始めたところ、10年前に起きた焼死事件が浮上する。少年探偵・狩野俊介シリーズ第二弾。
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年愛知県生まれ。81年、「帰郷」が星新一ショートショート・コンテストで優秀作に選ばれた後、90年に長編『僕の殺人』で本格的なデビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
26
狩野俊介シリーズ。春休みを利用して石神探偵事務所へ再びやってきた俊介が野上と共に事件の調査に乗り出す。歴史ある高級旅館「幻竜苑」での過去の火災と今回の老女襲撃事件。その関連性は?誰の証言が正しいのか??大人の醜い心から生まれる犯罪の数々。聡明でピュアな俊介が成長していく上で乗り越えていかなアカン壁…今回、登場する子供キャラたちに大人気なく腹を立てる場面が何度もあった野上やけど、今後の俊介の成長をサポートし、見守っていくために新たな生活スタイルを決意した!次巻からの展開も楽しみ。2020/08/30
Penguin
25
今回もトリックは、壮大だったけど、俊介の感情が表わになる一面や、アキの思いが見え隠れする一面もありワクワクと。野上と俊介の関係性も進展しており、今後も楽しみ♪2011/11/23
ゆう
20
図書館本。狩野俊介シリーズ2作目。石神探偵事務所に少女が持ち込んだ依頼。10年前の事件とも絡んできて…。俊介くん相変わらず可愛いなぁ。そしてひらめき力がすごい。美樹ちゃんが思いの外出てこなかったのが残念。これからどこかで出てきてこないかな。2015/11/28
まりもん
18
この巻ではのちのち俊介の学校での様子等を読者に教えてくれるキーパーソンである遠島寺美樹が登場。すでに先を知っている友人から俊介に片思い?というような関係になるというようなことを聞いていたのだが、この巻に関しては事件の依頼人という関係だけだ。2012/04/29
みお
16
読みやすい文章。張られた伏線と、ロジックを丁寧に紡いだ推理がとてもいいです。『告白』にはゾクッとしました。家族の話が続いたのはやはり俊介くんに絡めて意図的なのかな。繊細な俊介少年の心の揺らぎや叫びに胸をつかれます。こんな名探偵もいるんだなぁ。また大好きになれそうな名探偵に新たに出逢えてうれしいです。2012/04/22