出版社内容情報
都会を走る移動図書館、愛称「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと、図書館司書ウメちゃんの、年の差四十のでこぼこコンビだ。巡回先で二人と一台を待ち受けるのは、利用者とふしぎな謎の数々で……。棚に並んだ本の中に、あなたの好みの一冊がありますように。本でつながる想いをのせて、めぐりんは今日も走る。本屋、出版社などさまざまな「本の現場」を描く著者が贈る、ハートフル・ミステリ。
内容説明
種川市の移動図書館「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと図書館司書ウメちゃん、年の差四十のでこぼこコンビだ。返却本に挟まれた忘れ物や、秘密を抱えた利用者など、巡回先でふたりを待ち受けるのは、いくつもの不思議な謎?!書店員や編集者を主人公に「本の現場」を描いてきた著者による新たな舞台は、図書館バス!ハートフル・ミステリ短編集。
著者等紹介
大崎梢[オオサキコズエ]
東京都生まれ。元書店員。2006年、書店で起こる小さな謎を描いた『配達あかずきん』を発表しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
262
図書好きな人が好きな人はきっと楽しい5篇。タイトルが示す通り、移動図書館を巡る物語です。本書はコージー・ミステリーの形をとっているのですが、その中でコージー・ミステリーを扱っていたりしてね。入れ子構造( ¨̮ )。本好きさん同士で繋がったりしますね。でも意外と読むジャンルが違ったりして、話が合わないんだよねー。とか思ったりしましたが、それは読書メーターをはじめる前の儂の所為やった。それ迄は偏ったジャンルを読む事が多くて、小説の類いは少な目だったもんね。今なら少しは違うのかなぁ。表紙が可愛い。2023/05/16
タイ子
99
3,000冊の本を乗せて移動図書館のバスが走る。運転手は定年退職した新人運転手・テルさん、司書のウメちゃん。巡回先のステーションで待ちわびる本好きの人たちとの交流、ちょっと謎めいた話。大崎さんらしく優しい感じのタッチで描かれる心温まる5つの短編集。長く読み継がれる絵本、新しいミステリー小説。ちょっと気になったのは、バスに集まる人たちがうわさ好きってこと。悩んでる人に手を差し伸べるのはいいけど、立ち入り過ぎもなんだかなぁ。でもまあ、いろんな分野の本を運んでくれるって羨ましい限りです。2021/04/09
ふう
97
移動図書館の話題から読友さんに薦めていただいた本。先日文庫化されたばかりです。本に限りませんが、いい出会いやきっかけがあると少しだけ世界が広がり、方向が変わることがあります。そんな出会いの場をたくさんの人に届ける移動図書館めぐりんをめぐる?職員と利用者さんとのほのぼのしみじみとした話です。お仕事本のようでもあり、雰囲気が和菓子のアンちゃんと似てるかな。ノーベル賞を受賞した吉野さんが、先生に薦められた本で科学に関心をもつようになったと話されていました。本に関わる人々の地道な活動が様々な幸せを運んで来ます。2019/10/31
佐島楓
82
移動図書館とそれを取り巻くひとびとの物語。現代のコミュニティのあり方を考えさせられるという点で、社会派の側面を持っているように思った。派手ではないが図書館の役割として大切なことを教えていただいた。2019/11/05
HANA
72
移動図書館というのは初耳だけど、そういうシステムがあるのですね。運転手として再就職したテルさんと司書のウメちゃんが出会う日常の事件を扱った連作短編。正直著者の本に関連するミステリといえば『配達あかずきん』が第一に思い浮かぶので、今回もそれに類した本に纏わるミステリかと思っていたが、内容はどちらかというと人間ドラマを基調としたものでミステリ味は薄め。それでも登場人物ほとんどが読書を趣味とし移動図書館を愛する善人なので、読んでいて暖かな気持ちになれる。この状況でしばらく図書館に行ってないが、また行きたいなあ。2021/04/27
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- 和書
- 牧野富太郎 世界伝記文庫