内容説明
駅ビルの書店で働く杏子のもとに、長野に住む元同僚・美保から手紙が届いた。彼女の勤める地元の老舗書店に幽霊が出るようになり、おかげで店が存亡の危機にあると知らされた杏子は、アルバイトの多絵と共に信州へ赴いた。だが幽霊騒ぎだけでなく、二十七年前に老大作家が弟子に殺された事件をめぐる謎までもが二人を待っていて…。人気の本格書店ミステリ、シリーズ初長編。
著者等紹介
大崎梢[オオサキコズエ]
東京都生まれ。元書店員。2006年、書店で起こる小さな謎を描いた『配達あかずきん』を発表しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
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杏子と多恵の”探偵コンビ”が、信州の老舗本屋の幽霊事件を鮮やかに解決していくこの作品。そこには27年前に未解決な部分を残したままの殺人事件の真相に繋がるまさかのドラマが隠されていました。『二十七年前に、警察だってわからなかった』という事件に取り組む二人の物語は、本を愛し、本棚を愛し、そして本屋を愛する元書店員・大崎梢さんの本への並々ならぬ思いをそこかしこに感じるものでした。「晩夏に捧ぐ」と名付けられたこの作品。”日常の謎”の延長線上に本格的なミステリーが違和感なく展開する、とても読み応えのある作品でした。2021/11/22
hiro
256
書店のお仕事小説プラス日常ミステリーの『成風堂書店事件メモシリーズ』第2弾。出張編というくらいなので、杏子と多絵は長野の書店の幽霊騒動を解決のため、成風堂を離れて出張する。ただの幽霊騒動では書店での日常ミステリーだと思うが、今回は27年前に起きた犯人が捕まっている殺人事件の謎に挑む長編の本格推理小説ぽくなっていて、面白く一日で読んでしまった。探偵役のアルバイト多絵が、鋭い推理で次々事件を解決するのと反対に、カバーかけもできない不器用という設定が面白くていいと思う。第3弾『サイン会はいかが?』も読みます。2013/06/30
佐々陽太朗(K.Tsubota)
254
書店萌え~な私にはたまらない一冊ではある。長野にあるという「まるう堂」書店に行ってみたい。フィクションなのであるわけ無いか。それでもモデルになった店があるのなら教えて欲しいものだ。シリーズ第二作となる今作は長編となっているが、正直なところシリーズ第一作『配達あかずきん』のほうが好みである。軽く読めて心温まるエピソードを差し挟んだ短編にこのシリーズの良さがあるのではないか。今作『晩夏に捧ぐ』の謎は殺人事件ということもあり読後感が悪い。杏子と多絵の微笑ましい会話に救われるものの、やはり後味の悪さは否めない。2014/06/22
射手座の天使あきちゃん
240
シリーズ第二弾 うーん、長編しかも本格的殺人ミステリーにしようと無理したんですかねぇ? <(^_^; 本にまつわる日常の謎であってこその小粋な物語だっただけに、ちょっぴり残念! まあ「まるう堂」さんのような老舗の本屋さんがあれば長野でも訪ねてみたいと思いましたが(笑) 2011/01/30
ダイ@2019.11.2~一時休止
234
成風堂書店事件メモその2。今回は主張先での出来事のみの長編。過去の殺人と現在の幽霊騒動の謎を解いていくのが凄く面白かった。2014/12/29