出版社内容情報
市立高校に入学したばかりの頃は、こんなにも不可思議な事件に巻き込まれて、波瀾万丈な学園生活を送るとは、僕は想像だにしていなかった――。『理由あって冬に出る』の出来事以前に映画研究会とパソコン研究会との間に起こった、柳瀬さん取り合い騒動を描く「不正指令電磁的なんとか」。葉山君の自宅マンションで起こった怪事件「家庭用事件」。葉山君の妹・亜理紗の学校の友人が遭遇したひったくりから、葉山家の秘密が垣間見られる「優しくないし健気でもない」など、5つの謎を描いたシリーズ第2短編集。
内容説明
『理由あって冬に出る』の幽霊騒ぎ直前、高校一年の一月に、映研とパソ研の間で起こった柳瀬さんの取り合いを描く「不正指令電磁的なんとか」。葉山君の妹・亜理紗の友人が遭遇した不可解なひったくり事件から、これまで語られてこなかった葉山家の秘密が垣間見られる「優しくないし健気でもない」など五編収録。苦労性で心配性の葉山君は、今日も波瀾万丈な高校生活を送る!
著者等紹介
似鳥鶏[ニタドリケイ]
1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選、改稿した同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
123
市立高校その6。連作短編集。再び時系列バラバラ(あとがきに詳細あり)。優しくない~を読んでうそ~んとなりその設定これまでに伏線あった?。2017/09/07
mocha
100
久しぶりの市立高校シリーズ。今回も頼まれ葉山君はいろんな人から使われている。なのに肝心なところは伊神先輩がさらっと解決。映研とパソ研のもめ事、弓道部の盗難事件など5篇。『優しくないし健気でもない』では葉山君が自分で謎を解くも、なんとも後味の悪い真相だった。でも彼の真摯な優しさ、あったかさに感動すら覚え、目を開かされるような思いがした。と、せっかくいい感じで読み終えたのに、またしてもあとがきで悪ノリする似鳥氏に可笑しいやら呆れるやら…。2016/09/20
hnzwd
100
息の長いシリーズになったなぁ、と、しみじみ思ってしまうシリーズ第七弾。今までの表紙絵の雰囲気も好きだったんですが、、中身は相変わらずの葉山君でした。とある理由からストーリーが若干重めになるので、表紙で多少は中和を図ったか。伏線に気付き、まさかね、、と思いながら読んでたので、ラストはそこまでの衝撃ではありませんでしたが、、なかなかの大ネタでした。2016/05/17
へくとぱすかる
86
3年ぶりの市立高校シリーズ。再読中ですが、ここから初読。あいかわらず事件が続く高校生活。葉山くんの家にもトラブルが起こるのだから、ちょっと危ない? 読み終わってつくづく、作者は読者にしかけるトリックがうまい。短編それぞれを読んで、トリックメーカーとして一流だなと思う。前作のときにも最初から本作の構想があったのかと思ったくらいだが、実際にそうかもしれない。3年くらいのブランクはミステリ作家なら、マジシャン的応用ができるのではと思う(そうかな?)。葉山くんも十分探偵が務まりそうだ。でも伊神さんにはかなわない。2021/04/25
のっぱらー
81
「市立高校シリーズ」は初読だったけど、それでもラストの展開にはびっくり。これ、シリーズずっと読んできた人だと、驚きっぷりは半端無かったんでしょうね。ただ、それを省いても、「不正指令電磁的なんとか」などネーミングセンスや、似鳥さんお得意の注釈や力入れまくりなあとがき、そしてなんといってもそれぞれ謎解きの面白さは太鼓判。ぜひぜひシリーズ遡って読んでみたい、という気持ちになりました。2016/06/04