出版社内容情報
マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で滑落したのか。好敵手の死の謎と向き合うために、草庭は再び山に登る──話題を呼んだ渾身の山岳推理、文庫化!
内容説明
安西おまえはなぜ死んだ?マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で滑落したのか。事故か、自殺か、それとも―。三年前のある事故以来、山に背を向けて生きていた草庭は、好敵手であり親友でもあった安西の死の謎を解き明かすため、再び山と向き合うことを決意する。すべてが山へ繋がる、悲劇の鎖を断ち切るために!話題を呼んだ著者渾身の山岳ミステリ。
著者等紹介
大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒。97年、「三人目の幽霊」で第4回創元推理短編賞に佳作入選、翌年には「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
45
架空の山だと思って読めば気にならないかもしれないけど硫黄だと思って読むとちょっと白けちゃうかもね。とか考えながら単行本以来の二読目。2013/04/07
したっぱ店員
28
友人の滑落の謎を解くために、足を洗ったはずの登山に挑む主人公。山なんて登る人の気が知れない・・と常々思っている自分にはテーマがちょっとと敬遠していたが、いざ手に取ってみたらテンポよく充分楽しめた。ぐいぐい読んだけど、ただラストはちょっとだけ納得いかないかなあ。主人公の会社の人達がなかなか魅力的で良かった。2014/09/22
papako
24
山岳ミステリー。山で遭難した友人。その事故に疑問をもった主人公が謎にせまる。山という人の目が届かないある種の密室での事故。山で遭難するということ。登山をまったく経験したことはありませんが、ミステリーとうまく融合して楽しめました。2013/04/19
マッちゃま
21
大倉氏が描く山岳ミステリ。親友の安西が難易度の高くない塩尻岳で滑落。事故か?自殺なのか?主人公 草庭は真相を解き明かす為に離れていた山の世界に戻る事となる…仕事復帰したのでユックリペースでの読了でしたが面白かったです。いわゆるアマの登山家たちの世界も覗けたり、描写からも山の素晴らしさも感じました。学生だから出来る事が、社会に出て出来にくくなったり、時代の流れに取り残されていったりする事もある訳で、僕の知らない世界を感じる(楽しめる)事が出来る作品。山の知識無くともサラッと読めましたから安心してくださいね♪2021/12/27
のこ
15
確かな登攀技術を持つ男・安西が滑落したとの報せが入る。大学時代、安西とパートナーを組んでいた草庭は、その事実にただ衝撃を受けるしかない。その草庭の胸に浮かんだ疑問―安西はなぜ死んだのか?その答えを得るため、草庭は再び山に登る。■私自身は山に登らないので専門用語はわかりませんでしたが、グイグイ読みました。山岳ものとしてはとても面白かったけど、ミステリとしては…どうかなぁ…。草庭の考えだけで終わっているので、どうもスッキリせず。消化不良で読了です。2014/10/01