内容説明
黄金が溢れる島ジパングで、大冒険の末、黄金を捨てることで莫大な黄金を手に入れた―。囚人たちが退屈に苦しむジェノヴァの牢。新入り囚人“百万のマルコ”ことマルコ・ポーロは、彼らに不思議な物語を語りはじめる。いつも肝心なところが不可解なまま終わってしまう彼の物語。囚人たちは知恵を絞って真相を推理するのだが…。多彩な謎が詰まった、文庫オリジナル連作集。
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』を刊行しデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
128
2009/12/31 Amazonより届く。 2022/4/1〜4/3 ジェノヴァの牢屋で退屈な日々を送る囚人たち。そこに新入りの「百万のマルコ」こと、マルコポーロがやってくる。彼の一見荒唐無稽と思われる謎の話に囚人たちは自分達の境遇を忘れて楽しむが、肝心なところがいつも謎のまま残されている。囚人たちは真相を推理するが・・・。トンチの効いた連作短編集。2022/04/03
ehirano1
117
トンチです。見方によっては詭弁かもしれませんwww。参考文献の項では翻訳の出ていないものは除外した、と記載されていて、解説で言及されているように第二弾、三弾を期待してしまいます。2021/11/07
財布にジャック
70
マルコ・ポーロが主人公で、旅の中で起きた出来事を謎かけ風に短編で読ませてくれます。百万のマルコの百万という意味には、百万長者という意味の他に嘘八百という意味もかけられているらしいです。マルコのホラ話だとしても、充分に楽しめるし、頭を捻ってオチを予想する為、薄い本なのに思いのほか読了までに時間がかかりました。マルコ・ポーロのあの有名な「東方見聞録」もいつかはチャレンジしたいなぁと思わされる作品です。2011/09/14
hnzwd
52
都市国家間の戦争に巻き込まれ、囚人となった男たち。そこに新たな囚人として現れた男・マルコポーロが東方での不思議な話を語り、男たちが話の中に登場する謎に頭を捻るというテンプレが楽しい短編集。及第点以上の面白さでしたが、、短編集のラストにどんでん返しを求めるのは、やはり悪い癖か。2015/01/21
はらぺこ
38
牢に囚われたマルコポーロがジパング等で経験した不思議な話を暇を持て余した囚人達に語り、そこに出てくる謎を囚人達が解こうと侃侃諤諤、喧喧囂囂する連作短編集。 ホンマに短い話ばっかりやから「頭の体操」や「IQクイズ」みたいなモンやと思って読まんと正直飽きる。2015/12/18