内容説明
美女に振りまわされつつ、事件調査も生活の糧にしているフリーライターの柚木草平。エステ・クラブの美人オーナーからは義妹に関する調査、芸能プロダクションの社長からは失踪した女優の捜索、雑貨店の美人オーナーからは死んだはずの夫から送られてきた手紙の調査の依頼が舞い込むが…。柚木を憂鬱に、そしてやる気にさせる美女からの三つの依頼。私立探偵シリーズ第三弾。
著者等紹介
樋口有介[ヒグチユウスケ]
1950年群馬県生まれ。國學院大學文学部中退後、劇団員、業界紙記者などの職業を経て、1988年『ぼくと、ぼくらの夏』でサントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。1990年『風少女』で第103回直木賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
86
【柚木草平】シリーズ第3弾。「雨の憂鬱」「風の憂鬱」「光の憂鬱」の、独立した三つの中編集。ハードボイルド調ではあるものの、三編各々に違うタイプの女性が登場し柚木を振り回すというパターンは健在で、これが案外微笑ましい。柚木目線でストーリーを追えるのも本作の特徴で、登場する女性一人一人が現実的にイメージ出来るのも良さだろう。女性を相手にした時の軽口は、特定の女性だけに向く方が良いとは思うが、それが三枚目への表現だと言うなら、それもアリかも知れない。何故憂鬱というタイトルなのか、読み終えて深く感じる、考える。2020/10/04
涼
28
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-7b45d3.html2019/08/21
七色一味
20
読破。中編3本を収録してます。2本目「風の憂鬱」は、時系列的に本シリーズの1作目『彼女はたぶん魔法を使う』の後、『初恋よ、さよならのキスをしよう』の前に挟まる作品。美女を相手にした時の軽妙な口調は相変わらず。84頁。おもしろことなんか、東京にもどこにもないんだけどね。東京にあるのは、おもしろいと錯覚することだけ。2014/05/11
蕭白
10
短編が3作。主人公が出会うのは美女ばっかり。2020/02/06
ジロリン
9
徐々に制覇しつつある柚木草平シリーズ。これはもう、「いつものアレ」を楽しむ小説。特に目新しいことは全く必要ないです。そして軽妙なタッチで進む物語でも、けっこう毒素が強いのもいつもの調子。特に「光の憂鬱」の、死んでも愛する妻を誰にも渡すまい、とする夫の執念が明らかになる場面のなんとも薄ら寒い手触りはゾっとする。2014/09/20