内容説明
歌舞伎界で起る難問を、長い舞台経験に裏打ちされた芸道指南よろしく、鮮やかに粋に解決する老優・中村雅楽。歌舞伎座で迷子になった能楽師の一人息子が巻き込まれた事件の顛末を描く「劇場の迷子」、女形と舞踊家の弟子との恋模様にまつわる「家元の女弟子」といった名編に、単行本未収録作3編、著者晩年の「演劇史異聞」など滋味豊かな28編を収録。
著者等紹介
戸板康二[トイタヤスジ]
1915年東京生まれ。慶應義塾大学国文学科卒。劇評家、歌舞伎・演劇評論家、作家、随筆家の顔を持つ。江戸川乱歩のすすめでミステリの執筆を開始し「宝石」にデビュー作「車引殺人事件」を発表する。1959年、「團十郎切腹事件」で第42回直木賞、1976年「グリーン車の子供」で第29回日本推理作家協会賞を受賞。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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歌舞伎界で起る難問を、長い舞台経験に裏打ちされた芸道指南よろしく、鮮やかに粋に解決する老優・中村雅楽。歌舞伎座で迷子になった能楽師の一人息子が巻き込まれた事件の顛末を描く「劇場の迷子」、女形と舞踊家の弟子との恋模様にまつわる「家元の女弟子」といった名編に、単行本未収録作3編、著者晩年の「演劇史異聞」など滋味豊かな28編を収録。中村雅楽探偵全集第4巻。
bvbo
2
シリーズ4巻目。謎解きよりは昔話しが多くになってきたが面白く読んだ。才女は結婚で引退はもったいないよな。復帰しそうで良かった。2023/02/15
しんこい
2
探偵小説といっても殺人とかは全くありません、むしろ人情小説みたいな。それがむしろ好ましい感じ。なつかしい旧悪が好み。2010/08/07
rbyawa
1
j062、中村雅楽という歌舞伎役者を探偵役にして演劇記者(歌舞伎記者かな?)の人を語り部にした推理小説…探偵小説って呼ぶのかな?(江戸川乱歩に誘われて書くことにしたそうで) シリーズと知らずに予約した本が4冊めだったので解説でその辺が正確に読めてないんですがまあ、日常の謎編だったのでそんなに詳細は重要でもないかな。演劇業界の「人の弟子にははっきり口出しない」という慣習のためトンチを効かせた伝え方をするなどという話は…わかるはわかるんだけど鮮やかな読後感でもないかなぁ、演技のコツ、日常の謎みたいな話は好き。2019/06/07
陶子
1
中村雅楽、探偵小説、楽しく読みました。歌舞伎の演目について、面白かった。2019/02/24