内容説明
今まで日本に現れたことのない変異型ウンカが富山県で異常発生した。既存の農薬は効かず、ある地域を中心に広がっている―果たしてこれは自然発生なのか、それとも何者かの作為か?被害が拡大すれば米不足を招くという危機的状況下、米を扱う食品会社に勤める陶部映美は、親友の自殺を巡る謎と変異型ウンカの奇妙な関連に気づく―。大幅改稿で贈る、社会派ミステリの傑作。
著者等紹介
永井するみ[ナガイスルミ]
東京都出身。東京芸術大学音楽学部中退。北海道大学農学部卒。1995年第2回創元推理短編賞に「瑠璃光寺」を応募し最終候補に。96年「隣人」で第18回小説推理新人賞を受賞、同年『枯れ蔵』で第1回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まど
28
お米にまつわるミステリー。専門的で難しいかも…と少々構えて読み始めました。知識もたくさん出てくるし構成も緻密ですが、堅苦しさはなくグングン引きこまれて読みました。永井さんの新しい作品はもう読めないので、未読の作品を宝物のように感じながら読みました。2012/01/06
ちょろこ
27
お米をテーマにした社会派ミステリー、の一冊。初めての長編、正直、今まで読んだ永井さんのどの作品よりも良かった。最初、専門用語にちょっと退屈を感じたけれど…だんだんハマった。ベースが白米だとしたら…添えられた梅干しや昆布…という数々の謎が上手くマッチして、とても美味しくいただけた感じ。うーん、美味しいお米が食べたくなった。満足ミステリー、ごちそうさまでした!2015/02/18
ミンティア
22
初めての作家でした。そして米を題材とするミステリは初めて読みました。 毎日食べている、といっても過言ではない米がたくさんの人の苦労と努力、紆余曲折を経て、自分の元へ届いていることを改めて知り、感動しました。 関係がなさそうな物語が全て「米」に繋がっていく様は見事でした。米の知識も増え、面白く一石二鳥でした。 好きなキャラは英美でしたね。仕事にも恋愛にも一途な彼女は読んでいて、応援したくなる女性でした。 そしてもっと、米を大切にして食べようと思った一冊でした。2013/05/22
hiichi
7
有機米、害虫、農薬、ツアコン、ナシゴレン…異色の農業ミステリー。農学部卒の作者。さすがに害虫や農薬の説明は読み飛ばしたけど、登場人物が多いにも関わらず、誰もがイメージしやすい描写だった。ラストの伏線回収は圧巻でした。おもしろかったー。2013/05/27
なっく
7
農学部出身の彼女ならではの農業ミステリー。 恋愛と殺人と農業とが絡み合ってそれなりに面白かったけれど、永井するみにしては今ひとつだったかな。 レイプという題材の必然性もなく、また映美と五本木の恋愛っぽい話もなんとなくストーリーに溶け込んでなくて。。。 永井するみには期待が大きいので星三つにしました。2008/09/05
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