出版社内容情報
類稀なる聴き屋体質の柏木君が遭遇した四つの難事件。誰よりもネガティブな性格の先輩、推理マニアの美男子学生作家など、文芸サークル第三部〈ザ・フール〉の愉快な部員たちが謎解きを繰り広げるユーモア・ミステリ。
内容説明
生まれついての聴き屋体質の大学生、柏木君が遭遇する四つの難事件。芸術学部祭の最中に作動したスプリンクラーと黒焦げ死体の謎を軽快に描いた表題作、結末のない戯曲の謎の解明を演劇部の主演女優から柏木君が強要される「からくりツィスカの余命」などを収録する。文芸サークル第三部“ザ・フール”の愉快な面々が謎を解き明かす快作、ユーモア・ミステリ界に注目の新鋭登場。
著者等紹介
市井豊[イチイユタカ]
1983年神奈川県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2008年、「聴き屋の芸術学部祭」で第5回ミステリーズ!新人賞に佳作入選する。『聴き屋の芸術学部祭』で本格的なデビューを遂げた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
87
「聴き屋」とはなんぞや?と読み始めたかと思ったらぐいぐいっと物語に引き込まれました(その割には読了まで時間がかかりましたが...)軽い感じのストーリーながら、しっかりと満足感も得られます。ミステリの連作短編が4編収録されているので、普段本は読みたいけどなかなか時間が……と思ってる方にピッタリの一冊ですよ。2015/07/27
とも
79
会話が楽しいのでどんどん読めます。日常系のミステリーかと思いきや殺人が起こってびっくりしつつも先輩をはじめとするキャラクターが個性的で勢いは止まりませんでした。脚本の結末を推測するとか斬新。続刊も期待です。2015/02/05
hnzwd
78
その人の愚痴や自慢話、相談などを唯々聴く、聴き屋が主人公の連作。話を聞いただけで、、という安楽椅子探偵かと思いきや、意外とアクティブ。色々な人に話しかけられた内容から事件を解決ってのも新しいかも。やはり表題作の出来が一番ですかねー。2015/03/13
みかん🍊
70
芸術学部の聴き屋柏木の周りで起こる4つのミステリー、日常ミステリと思っていたら最初からいきなり写真科の女子大生が学祭中殺され火まで点けられる殺人事件、演劇の原作者が結末だけ持って失踪、結末を考えさせられる羽目に陥る柏木、模型部の宇宙ステーションの模型が壊され濡れ衣を着せられた友人を助ける事に、最後はサークルの旅行先で起こった殺人事件を解決する事になる。芸術学部だけあって登場人物は強烈な個性の持ち主たち、悲惨な事件もさらりと軽く面白かったが最初と最後の殺人事件が若者が殺されるのには心が痛んだ。2015/07/17
papako
67
アンソロジーで気になって。私が読んだ範囲でのことですが、小説でこういう大学の青春ものって少ない気がします。古典的?と言ってもいいくらいの会話によるユーモアミステリー。漫画だとげんしけんとかもらしもんみたいな感じ。なのに人が死ぬ。私は人死出さずに書いてもらえた方が、もっと楽しめたかも。そして聴き屋設定はどこ?ってなりました。それでも1時間そこそこで読んだってことは面白かったのかな。2019/03/05