内容説明
小学校5年生の及川衛は、自分の誕生祝いを買いに行く途中で、アンティークショップの店先にあった安楽椅子に心惹かれる。思い切って購入し、自宅へ運んでみると、なんとその椅子は口をきき、不思議な能力をもっていた。アーチーと名付けられた椅子は、シャーロック・ホームズばりの推理をする、正真正銘の安楽椅子探偵だったのだ。松尾由美が贈る、ファンタジー溢れる連作短編集。
著者等紹介
松尾由美[マツオユミ]
石川県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。1989年『異次元カフェテラス』を刊行し、91年には「バルーン・タウンの殺人」がハヤカワSFコンテストに入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
88
【安楽椅子探偵シリーズ】第1弾、4話の連作短編。目から鱗とはこの事か、本作の安楽椅子探偵とは、安楽椅子自体が意思や人格を持った探偵の事だ。小学生の衛とアーチーと名付けられた本物の安楽椅子との、心温まる日常の謎解き物語。と言っても児童文学ではなく、大人が小学生時代を振り返る様なジュブナイルミステリだ。兎に角安楽椅子というアイデアが抜きん出ているが、それ以外は至って普通のコージーミステリ。衛とちょっと老人的な喋り方のアーチーとの会話が、微笑ましくて心地好い。謎解きとしては物足りないが、衛の成長を見守りたい。2022/03/29
hnzwd
52
安楽椅子探偵物。安楽椅子・探偵物なのです。なぜか話せるようになった安楽椅子が、主人公と一緒に様々な謎を解く、というスタイルは楽しい。謎の解決もロジカルで満足。出会いのシーンはなかなかのワクワク感でした。続編もあるようですが、、文庫化しないかなー。2015/06/27
とも
50
★★★★全4編の連作短篇集。前3つまでは、対しておもしろみもスリルもない短篇だが、最後の1編で改めてこの作品が連作であることを思い知らされる。そうして、全ての謎が解けたときに心地よい収束感に浸れること間違いなし。2017/07/11
酔拳2
42
安楽椅子に座ったまま事件解決する、のではなく、安楽椅子自体が探偵というファンタジー。ホームズよろしく、ケッコーこの椅子ががっつり推理します。どこで見えてんの?どっから聞こえんの!?耳はあれかい?やっぱ背もたれの上の部分の装飾のとこかい?てのは置いといて。子供達を微笑ましくも半分見下して不可解な事件をバサバサ解決します。2018/11/12
那由多
14
安楽椅子が推理する、本当の安楽椅子探偵って設定がユニーク。ワトソン役は小学校五年生の少年で、椅子の持ち主。アーチーの話が長いのは嫌だけど、こんな友人が子供部屋にいてくれたらどんなに貴重な時を過ごせるだろう。2018/07/01
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