出版社内容情報
光原百合[ミツハラユリ]
著・文・その他
内容説明
同級生の謎めいた言葉に翻弄され、担任教師の不可解な態度に胸を痛める翠は、憂いを抱いて清海の森を訪れる。さわやかな風が渡るここには、心の機微を自然のままに見て取る森の護り人が住んでいる。一連の話を材料にその人が丁寧に織りあげた物語を聞いていると、頭上の黒雲にくっきり切れ目が入ったように感じられた。その向こうには、哀しくなるほど美しい青空が覗いていた…。
著者等紹介
光原百合[ミツハラユリ]
広島県生まれ。大阪大学及び同大学院にて英文学を専攻。「十八の夏」で第55回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
87
連作短編集?。デビュー作。レンジャーが探偵役。森の自然描写なんかがイイ感じ。2017/09/05
ぶんこ
63
「センス・オブ・ワンダー」とは、素晴らしく新鮮な出来事に対して驚きの目をみはる、そんな生き生きとした気持ちのことである。・・と文中に引用されていた部分が印象的でした。清海の森での体験が翠さんを魅了したように、私も猛烈に森の中を散策したくなりました。自然解説指導員の護さんのように、自然と友達のようになれたら素敵でしょうね。護さんが翠さんの関わった謎を解くお話なのですが、私には森の素晴らしさを再認識させてくれるお話でした。2016/01/17
涼
57
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/03/post-8ad9c7.html 表紙絵通りの高校生が語り手です。こんな森で、気持ちをリセットしたいものです。2023/03/30
はる
46
優しいミステリー。実在する自然環境団体をモデルにした施設が舞台。自然の中で働く人たちの様子が魅力的に描かれています。静かで誠実な雰囲気は悪くないのですが、この団体への光原さんの思い入れが強すぎて、物語がうす味になってしまった印象。主人公のキャラもちょっと古めかしくて共感出来なかったです…。表紙の絵は素敵ですね。2016/01/03
アイゼナハ@灯れ松明の火
45
久々の光原百合作品。やっぱりいいなぁ。何て心地よいベタ甘ラブコメミステリ…というと怒られるかしら(笑)少しのんびり屋さんの女子高生、翠さんの好きな人は名探偵な自然解説指導員(レンジャー)の護さんなのでした、の連作短篇3話。ユーモラスな中にも八ヶ岳山麓の澄んだ空気が感じられるような癒しの感覚がステキでした。第三話のキャンプの様子は読んでても楽しいけど、参加できたらもっと楽しそうだなぁ。読み終えてタイトルがすごく腑に落ちる感じ。目を閉じて、ゆっくり耳を傾けることで見えてくるものってあるのかも知れない。2011/08/03