出版社内容情報
密室殺人を企てる犯人の前に一匹の黒猫が現れた。あろうことかその猫は、今まさに密室にならんとする部屋に入り込んでしまい……。思わぬ闖入者に翻弄される犯人だが、さらに猫探しに訪れた探偵も現れる! 完全犯罪を目論む犯人の焦燥を描いた表題作をはじめ、音楽室で起こった犯人と凶器が消失した殺人事件を解き明かす「音楽は凶器じゃない」など気弱で引きこもりがちな名探偵・音野順の五つの活躍を収めた短編集、シリーズ第二弾!
内容説明
ホテルでの密室殺人を企てる犯人。今まさに密室を完成させようとする瞬間、なんと一匹の黒猫が部屋に入り込んでしまった。思わぬ闖入者に計画を狂わされてしまったうえに、猫探しにやってきた探偵も現れて…。完全犯罪を目論む犯人の焦燥を描いた表題作をはじめ、蝋燭だらけの密室殺人など、気弱で引きこもりがちな名探偵音野順の五つの活躍を収めた短編集、シリーズ第二弾。
著者等紹介
北山猛邦[キタヤマタケクニ]
1979年生まれ。2002年、『「クロック城」殺人事件』で第24回メフィスト賞を受賞してデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おうつき
35
シリーズ2作目にして、10年以上の時を経て文庫化された今作。5つの短編はどれも北山作品らしい物理トリックが仕掛けられている。テレビが人を飲み込んでいたという証言が興味を惹く「人喰いテレビ」や、2人の名探偵の対決を描いた「クローズド・キャンセル」など、どの作品も良質だったが、個人的なベストは表題作の「密室から黒猫を取り出す方法」。密室に入り込んだ黒猫が犯罪計画を破綻させていく様がコミカルに描かれ、タイトルにある「黒猫を取り出す方法」が意表をついてきた。2021/04/06
coco夏ko10角
33
第2弾。まず解説の一行目と同様「ようやく!」ですよ。1巻読んだ後に「2巻そろそろ文庫化かな?出たら買おう~」からまさかこんなたつとは。音野順は変わらず、いやビクビク度上がってる?その探偵を活躍させようと白瀬白夜の強引度も上がってる。前巻での発明家殺しの関係者・笹川蘭が依頼主の『音楽は凶器じゃない』最後…これどうにかならんのか。『停電から夜明けまで』ラスト数ページ好き。『クローズド・キャンドル』トリックが著者らしくて好き。琴宮探偵はどっちかっていうとダンガンロンパ霧切の方に登場しそうなキャラだ。2021/02/14
hnzwd
28
引きこもり探偵シリーズ第二弾。引きこもりなのに現場を見て推理ってのが矛盾していて。。名探偵っぽくなくて素敵。トリックがロジックに偏ったやり過ぎ感が溢れてるのは好みが分かれる所かも。2021/02/14
lucifer
24
あーやっぱり音野順シリーズは面白い。どれくらい面白いかというと、電車のなかでクスクスと声を出して笑ってしまったくらい。2作目の今回も、世界一気弱な名探偵が嫌々ながら事件を解く5作の短編集。倒叙に密室にライバル(?)出現にそして名探偵の究極の姿にと色んなバリエーションとトリックで楽しませてくれます。なかでも秀逸なのは、 音野順でしか成立させられない展開の「停電から夜明けまで」。次は何年待てば文庫化なるのかな?2023/04/05
マッちゃま
23
帯にもありますが「世界一気弱な名探偵」と称される音野順が遭遇する5つの事件が収録されたシリーズ第2弾の短編集。まあ〜なにせ北山さんなんで見事なトリックなのは保証済み。そして音野さんの事件簿なんで間の抜けたユニークさも折り紙付き⁉︎トッパチの表題作からヤッてくれてますから安心してお楽しみくださいませ♪ユルそうに思えてもシッカリ本格ミステリ。解説は青崎さんですが必ず読後に、先読みは厳禁。次巻も10年以上待てば読めるのか?えらい先の話しだけど必ず待ちます。霧切さん(やったっけ?)含めてドンドン文庫化してほしい!2022/02/18